酩酊と思索。 ページ13
芥川side
異様な頭痛がして、目が覚めた。
「う・・・・・・」
込み上げる謎の吐き気を堪えて起き上がる。足も生まれたての小鹿の如くがくがくと震え云う事を聞かぬが、無理矢理に鞭打って立ち上がる。
其処は僕の執務室だった。
如何やら僕はソファで寝ていた様だ。通りで体の節々が痛む訳だ・・・
其処迄考えたところで、僕は漸く、とんでもない事実に気が付いた。
要するに、昨晩の記憶が無いのだ。綺麗さっぱり、跡形もなく無くなっている。
「・・・訝しい」
僕はソファに座り直し、重い頭を動かして思索に耽る。
昨晩、僕は確か・・・料亭にいたのだ。樋口と中原さんと、捕獲した異能者であり新しい部下でもある住野Aと共に。
・・・其の席にて、珍しい事にすこぶる体調がよく、些か調子に乗って酒を飲み過ぎたのだ。
「其の結果が此れか・・・」
情けない事だが、2杯目の酒を飲んだ以降の記憶が一切無い。如何やって此処に辿り着いたのかも、皆目見当が着かぬ。
普段酒を飲まない故に、自分がどれ位で酔って仕舞うのかが判らぬのだ。今回の事は肝に銘じて置こう・・・。
「先輩ぃぃぃ!」
突然、大声と共に扉が開いた。僕は少し肩を揺らし、喧しい其の声の主を睨み付ける。
「・・・煩い。頭に響く、樋口」
「はっ、済みませッ!」
声の主・・・樋口は、僕の言葉に、ピシリと背を正した。だから其の大声を止めよ。
「あ、あの先輩!」
「何だ・・・」
此奴も僕の記憶があるうちに相当飲んでいた筈だが・・・元気だな。
「昨夜!先輩が拠点迄送って下さったのですか!?」
「・・・は?」
僕が、樋口を拠点迄?
・・・此奴は何を云っているのだ。
「あれ?其の反応を拝見するに、先輩では無いのですか?」
「僕な訳がなかろう。僕は料亭で眠り、此の拠点で目覚めた故な」
樋口は僕の返答を聞き、首を捻った。
「では誰が私達を拠点に送り届けたのでしょう・・・?」
暫く黙った後、樋口は再び云った。
「・・・中原幹部ではありませんよね」
「違うだろうな」
中原さんは、乾杯の時には既に酔っていた。彼は一度潰れると翌朝迄は正気に戻らぬ故、選択肢から排除。
・・・と、云う事は。
「「Aか・・・!」」
如何やら僕等は、後輩に早速大きな借りを作って仕舞ったらしい。
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世河経(プロフ) - 文ストもアクタージュも大好きです!クロスオーバーしたかったんですが、「どうする……?」と思考停止状態で、「ふおおおそう来たか!」って驚愕しました!!!こんなに面白いのに何で星が赤くない……?(煩くてすみません。あと連コメごめんなさい) (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
世河経(プロフ) - 天香さん多分文スト滅茶苦茶読み込んでいらっしゃいますよね?!要所要所に小説で見たような表現が……。すごいです!何課、本当に。、私が目指してるやつで。。。尊敬してます!! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 58edaa5afd (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - ちづさん» は、発狂ですか!?御馳走様です!(錯乱)アクタージュと文ストのクロスオーバー全然無いですよね・・・僕もまだまだ未熟なので、お見苦しい点は多々あると思いますが、貴重なクロスオーバー作家(オイ)として頑張ります(笑) コメントありがとうございます! (2020年4月17日 22時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ - アクタージュも文ストもめちゃくちゃ好きで好きで!!!!!!この作品を見つけた時発狂しちゃいました笑応援してます!! (2020年4月17日 10時) (レス) id: d5e82ff792 (このIDを非表示/違反報告)
☆天香☆ - 蟹江さん» え・・・(歓喜の余り思考停止)こんな所まで来て下さるとは・・・!貴方のお言葉で完結まで突っ走る気力が湧いて来ました!!アクタージュはガチで神作なので是非ご一読をお勧めします!!貴方の為に更新頑張ります!!! (2020年4月16日 11時) (レス) id: 63e3e21700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆天香☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amaka00/
作成日時:2020年3月12日 13時