3章 オペラ歌手の悲劇と殺人 ページ14
山の近くまで来ると、そこにはとても長い階段が待ち受けていた。この階段は石を積み上げた簡潔な作りで、いまにも崩れ落ちそうだ。
「この階段をまっすぐ進むと、ホテルがあるわ。じゃあ、あたしはこの辺で失礼するね」
メリジンがそう言うと、綺麗で美しい羽根を広げながらスラム街方向(つまり南方向)に去っていった。何をしに行くかも、語らないで。
「ここを渡るの?」
後ろにいるヴァルサはスパークの服をつかみながらブルブルと腕を振るわせている。眉間にしわを寄せながら、階段の上をじっと
スパークが空を見上げると太陽が沈みそうになっており、もう1時間すれば日が沈むだろうと思う。メリジンが言うにはこのチケットがあればホテルに泊まれるようだが、よい場所は確保できないと言われた。
ちょうど日が沈むころにはゆっくりとくつろげるとスパークは思っている。そして明日でも今日でもいい。犯人を捕まえて、必ず殺してやると。
彼はそのことを胸に入れて、進むことを決意した。
スパークがヴァルサを担いでいる間に、デニーは1人だけで先に進む。デニーの姿が見えなくなる時に、2人は進み始める。
階段の距離はかなり長くて、しかもヴァルサが背中にいるのでかなりつらい。鼻水や汗をダラダラと垂らしながら歩いていると、階段の終わり付近でコートを羽織った怪しげな人が歩いている。
背はスパークより高く、肌が青白くて黒いサングラスと布を口に巻いているので顔が全く分からない。しかも全く足音が聞こえず、足が浮いているかのように見えた。
(あの人は一体……)
スパークはそう思いながらホテルの前までたどり着くと、家から持ってきた布切れで鼻水を拭きとる。ヴァルサを石でできた地面に下ろしてみると、彼女はスパークの後ろに隠れてその人に姿を見せないようにした。
「ん? どうしたんだ、ヴァルサ。何で隠れるんだよ」
スパークが彼女に尋ねると、ヴァルサはただただ無表情を作りながら何もしゃべらない。
(おかしい、どこかがおかしい)と思うのだが、その違和感の正体もわからぬ。
焦りながら2人はすぐさまホテルの入り口に入り、受付へと向かう。そこには階段を先に上っていたデニーがニコリと微笑んで立ってる。その微笑み方を見ていたスパークは胸の奥が急に苦しくなったが、すぐ治まったのでこれ以上気にしなかった。
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まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - いえいえ、これからも更新頑張って下さいねー (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(`・ω・´)まりさん» なるほど……。その手がありましたか! 例も書いてくださりありがとうございます! (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(`・ω・´)まりさん» 的確なアドバイスありがとうございます! キャラのセリフを感情的に書く……ですか……。一番苦手にしていることですが、ちょっとずつ改変していきたいと思います。更新頑張りたいと思いました! (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - 例えば、キャラのセリフの前に舌打ちを入れて見るなど...(例)「チッ、だからああだと言っておったではないか!」露骨に舌打ちを決め、怒りを表す○○。...みたいな感じですかねー (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - ちょっと遅くなりましたが、読ませて頂きました!内容 10点満点! 文 9点 惜しいぃー! 私が思うには、キャラのセリフをもうちょっと、感情的に、細い表現を入れるなどしてみたらどうですかね? (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
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