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8. ページ8

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「Aから見に行きたいって言うなんて、どんな風の吹き回し?」

「…………ちょっとね」


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日曜日。
青道高校までやってきた。

陽子について来てと頼むと、大喜びで了承されたので、二人で青道の広いグラウンドを眺めている。


「なんか、思ったより応援の人いないから目立つねー」

「OBの人ばっかりだね」


見渡すと、ほとんど20代30代らしきおじさんたちばかり。
女子高生はわたしたちぐらいしかいなくて、なんか肩身が狭い。


「あ…成宮くんだ」
「え?」


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「Aちゃん!!!」


「……っ!」



ユニフォーム姿の成宮が、こっちに向かってすごい速さで走ってきて、

もはや突進だろというスピードでぶつかるように抱きついてくる。



「ほんとに来てくれるとは思わなかったよー!
今日は俺の勇姿をしっかり目に焼き付けて…」

「いいから離れ…」

「照れてる?」

「近づくなって言ったでしょ!」

「ひっどー。相変わらず冷たいなー」


周りのOBの方達のニヤニヤした目線が痛くて、
文句を言っている成宮を私の体から引っぺがす。


「俺、修北との試合で投げるからさ。応援しててね!」

「……」

「俺のピッチング見たらそんな無愛想な反応できなくなると思うよー」


自分で言うんかいと思いつつ、無視を決め込んでいる私に焦ったのか、陽子が必死に成宮を応援している。


「がんばって!」
「ゆうこちゃんはカルロスを応援してあげなよ」
「………陽子です」

「とにかく、最後まで見てってね!」

「鳴ー!行くぞー!」

「はいはーい!俺行かないと…」


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成宮は、

彼を呼ぶ声に適当に返事をして、わたしにずいっとかおをよせる。

「俺が一番かっこいいとは思うけど一也とかもいるからね」と言って耳元に口を寄せる。


.



「………よそ見すんなよ」



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低い声が耳を掠める。


予想以上の近さに不覚にもどくんと心臓が大きく動いて、


思わず耳を抑えてバッと成宮から離れると、にやーっと笑われる。



「じゃーねAちゃーん!」



嵐のように去って行く成宮を無言で見送ると、陽子が私の顔を覗き込む。


「A、顔赤いよー?」

「誰だってあんなに近づかれたら顔くらい赤くなるわ!!!からかわないで!」

「ごめんって〜」


ニヤニヤしている陽子の肩を殴ると、ヘラヘラと笑い返された。


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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年2月14日 18時

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