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「おっはよー!」
「………」
「あ、Aおはよう!」
翌朝、
教室の扉のところで絶句する。
それも、成宮が私の席に座って陽子と仲睦まじく喋っていたからだ。
「なんでいるの…」
「なんでって!俺たちオトモダチじゃん?」
ニコニコとドヤ顔をしながら、私の肩に腕を回してくる。
「そしてオトモダチのオトモダチはオトモダチだからね!陽子ちゃん!」
「そうだよ!A!」
「丸め込まれてんじゃないよ…ばか…」
完全に、成宮に「協力してくれたら、カルロスとの間取り持ってあげるー」とかなんとか言われたんだろう。
うんざりしながら成宮の腕を肩からおろす。
成宮のどいた私の席に、どすっと座れば、成宮が機嫌良さそうにまた隣の席に座る。
「治ったの?」
「うん!バッチリ!」
頬杖をついてブイサインをする成宮に、「ならいい」と自分のカバンの中に目を落とす。けど、相変わらずしつこく成宮は視界に入ってきて、私の作業を遮る。
「ねぇ」
「なに」
「オトモダチから恋人にステップアップするにはあとどのくらいかかりそう?」
「…一生かかっても無理かもね」
「…かわいくねぇ」
「かわいくなくて結構」
必死になだめる陽子を他所に、私は小さく咳き込む。
「大丈夫?」
「うん…」
陽子に小さく頷く。
朝起きた時から、なんか体が重いなぁとは思ってたんだ。
「風邪?」
「多分あんたのせいでね…」
「じゃあ俺が楽にしてあげるよ」
「え」
成宮は立ち上がると私の目の前に立って、ぐいっと乱暴に私の頰に手をかけて顔を持ち上げる。
ふふんと自慢げな顔で迫ってくる成宮に、やばいと実感したのも遅すぎて、ぐんぐんと成宮の顔が目の前に近づいてくる。
「ちょ、ちょっと!」と言っても止まる気配のない彼。
出会った時以来の、二度目のそれに、必死に抵抗する私の目の前に、
成宮の顔を遮るように何かが入ってくる。
「ちょっと!邪魔すんなって……………雅さん!?」
「だからお前、公衆の面前でやめろ」
「いいところなんだから邪魔しないでよねー」と食ってかかる成宮に、動じない原田さん。
私は私で、助かったとため息をついていると、原田さんは私にさっき遮った物体を突き出す。
「これで間違いないか?」
「ありがとうございます。間違いないです」
「なにそれ」
「参考書?ぶあつ……」
「私が成宮の勉強みたお礼」と言えば、うわーと二人して頭を抱え始めた。
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