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「………」
「あー！もうカルロスくんかっこいー♡たまんない♡」
「……陽子、わたし教室戻っていいかな」
「えー！そんな釣れないこと言わないでよ！」
今日も朝から陽子に連れられて野球部を見ている。
わたしは昨日の今日だから戻りたいんだけど。親友の頼みだしなかなか断れない。
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……でも、昨日のことはちゃんと言っておかないと。
重たい口をそっと開く。
「………陽子」
「なにー？」
「わ、わたしさぁ、カルロスくんに…」
「あのさ！A！昨日私カルロスくんに家まで送ってもらっちゃった！」
「え？」
「カルロスくんってやっぱりかおだけじゃなくて性格も素敵なんだね♡ていうかAきのう先帰っちゃってたけど…」
「う、うん…ちょっといろいろあってね…」
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言えない！言えるわけがない！
こんな嬉しそうにカルロスくんの話をする彼女に対して、
「私、昨日カルロスくんに告白されてキスされたんだぁー」
なんて言えない！
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「あれ、今日も来てる。鳴お気に入りの中野Aちゃん」
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わたしが俯いて心の中で葛藤していると、頭上から声がする。
見上げると、野球部の人がこっちを向いて微笑んでいた。
「え？」
「一応同じ学年なんだけど知らないかな。
カルロスっていいます」
「カルロスくん！
きのうは送ってくれてありがとう！」
「陽子ちゃん、どういたしまして」
嬉しそうにお礼をいう陽子。
え、待って。どういうこと。
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「……………カルロスくん？」
「はい？」
「……………あ、あなたがカルロスくん？」
「はい」
「そうだよAー昨日から言ってるじゃん」
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「……………あ、あの、じゃああのちんちくりんのピッチャーは…」
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「あのひとは成宮鳴くん！
うちの野球部のエースだよ！」
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「なるみや……」
「ちんちくりんってなんだよ傷つくなぁー」
「…………ひぃっ」
呆然としていると、
後ろから成宮の声がする。
声を上げるわたしに、
おばけじゃないんだからそんな怯えないでよ傷つくなーと笑う彼。
いや、十分怯えられることしてますよね。
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