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28. ページ28

成宮

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「おやすみ」と言えば、Aちゃんは落ちるように寝てしまって、食堂には沈黙が流れる。

はやく終わらせちゃおうと問題集にむきあった。


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それから何分たったか、俺は答え合わせも終えた問題集の上に突っ伏す。


「……終わった」


こんなに勉強したのは初めてで、若干頭がいたい。

別に遠征費カットを防ぐためでも、

雅さんのためでもなく、

この子のためで。


突っ伏したまま顔を少しあげれば、すやすやと安心しきった顔で眠っているAちゃん。


立ち上がって彼女の近くまで行くと、少し起こしていわゆる姫抱きというやつで食堂を出た。


「鳴さん終わったんですか?」

「っ樹……」

「あれ、中野先輩寝て…どこ連れて行くんすか?」

「俺の部屋」

「鳴さあああん!?」

「樹、黙らないともっとたっかいものをパシらせるよ」


俺が睨みながら言えば、口を塞いで頷く樹。

おやすみ〜と言って向かった先は言わずもがな



エースのお部屋。



足で扉を開けて中に入ると、俺のベッドの上にAちゃんをのせる。


「……………んん」


肌寒いのか、俺の布団にくるまって寝返りを打つ。

そんな様子に今更ながら俺の心臓が高鳴り出して、正直参ったなと頭を掻く。


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………頑張ったし、少しくらいいいよね。




心の中で言い訳しながら、ベッドの脇に手をつく。



ぎしっとベッドの軋む音が、


妙にやらしくて、


なんかなんにも考えられなくなって、


Aちゃんの顔にかかった髪をどかして、


Aちゃんの唇に、俺のそれを押し付ける。


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出会った時のバードキスとは違う、舌まで出かかったキス。


心臓が波打つように存在を主張して、
顔が熱くてくらくらする。

でもなにより幸福感が胸に満ちる。


「っ…はぁ……」


唇を離すと、ほんのり赤く染まった彼女の頬に、俺の頬がゆるむ。


「相変わらずの独占欲だな」なんていうカルロスの声が聞こえてきそうだけど…。


俺がひとりでニヤニヤしていると、Aちゃんは俺から顔を背けるようにくるんと寝返りを打つ。


「………これ以上したらほんとに怒られるか」


俺も我に返って、予備の布団を床にしいてごろんと横になる。


よし、明日頑張って、Aちゃんとデートして、そろそろ付き合ってもらう。


そんなことを考えてたらまた頬が緩んでくる真夜中の俺だった。

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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年2月14日 18時

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