【◇】私と成宮 (ページ24)

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24. ページ24

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「……え、白河？」

「どんな人なの？」

「…………………なに、白河みたいなのが好きなの」

「違う」

「……まさか浮気？」
「ねぇ私の話聞いてます？」

カルロスくんは先輩に呼ばれ、多田野くんは成宮にパシられてパンを買いに行って、二人きりになってしまった私と成宮。

カリカリとノートにシャーペンを走らせている。姿勢が悪くてうだうだはしてるけど。

「この前、白河くんに睨みつけられて陽子がびびりまくってたから」

「あーそれは陽子ちゃんがなんかしたんじゃないの？」

「うん…」

「白河は正論しか言わないからさぁ～。ていうかいっつも不機嫌そうな顔してるし」

「そうなの？」

「うん。中学の時からそう」

「へぇ……」

笑いながら言う成宮に頷きながら、引っかかることを尋ねる。

「正論しか言わないってことは、私は成宮のオモチャってことになるんだけど」

「はい？」

「白河くんに、成宮のオモチャって言われた」

「…………オモチャねぇ～」

私の言葉を聞いてシャーペンをくるくる回しながらちょっと笑う彼を頬杖をついたままじーっと見る。

「…………オモチャもいいね」

「え」

「ずーっと近くに置いておいて、俺しか見えないようにしまいこんで、休みの日は一日中……」

にやーっと笑いながら、「それも悪くないね」と言って、成宮が私の手に指を絡ませてくる。

ゴツゴツしてるけど、ちゃんと手入れしていて長い指は、私の指の間に入ってきて恋人つなぎをしてくる。

あ、なんかやばい。

気味の悪いことを言っている成宮にバッと手を離せば、「冗談だって」と笑われる。

「どこまでが冗談なのか本当なのかわかんないから…」

「俺がAちゃんのこと好きなのはホントだよ」

「………聞き飽きた」

「そこは『私も大好き鳴くーん♡』って言ってよ」

「死んでも言わない」

「絶対言わせるもんね」

なははと笑いつつ言う成宮に「馬鹿じゃないの」と呆れると、「馬鹿だから勉強してるんじゃーん」とうなだれる。

その姿がおかしくて、少し笑いがこぼれる。

「……………」

「………なに」

「…………かわい」

「はっ！？」

「あはは、顔赤っ」

「いっいきなり…」

「……………Aちゃん。俺、ちゃんと本気だから」

いきなり真面目な顔で言われて、小さく聴こえた可愛いって言うのとの相乗効果でまた顔が熱くなる。

「……………いきなりやめてってば……」

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