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14. ページ14

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「成宮さんと姉ちゃんが仲良かったなんて知りませんでした!」
「すごいわね〜、あんた、野球部のエースと!」
「付き合ってるのか!?」

「ないってば!」

「今後そうなる予定ですよ、お義父さ〜ん」
「お義父さん言うな!」

.


何がどうなってこうなった。

うちのリビングで、ケーキを食している成宮。

うちの家族みんな成宮にデレデレしている。



「成宮さん!俺、野球やってるんすけど、成宮さんにすごい憧れてて!」

「お義兄さんって呼びなよ」

「いいんですか!?」
「よくない!」


「えー」と口を尖らせる良太。

そもそも、知らなかった。うちの弟が成宮に憧れてたなんて。

私は野球に興味がないから、良太と野球の話を全然していなかったし、当たり前だけど。


「ごちそうさまでした、今度、お義母さんの手料理も食べに来ます」

「あらー!楽しみにしてるわね〜」

「おかあさんっ!」


どいつもこいつも成宮にデレデレですか。


「いいからはやく帰ってよ」と言うと「えー俺もうちょっと成宮さんと話がしたい」と良太が文句を言う。


調子よくニコニコしてうちの母に取り行っている成宮。

「俺写真撮ってもらお!」とか言い出すもんだから急いで成宮を家から追い出す。


「もう…真っ暗じゃん怒られても知らないからね」

「そのときはAちゃんちにいってましたって言うよ」

「言うな」


ため息をつく私と、
自信ありげな笑みの成宮。


少ししかたっていないのに、

彼と知り合ってから毎日が悪い意味で濃密で、
明日もこの顔を見ることになるのかと思うと頭が痛い。

まえまでは、毎日がさーっと流れるように過ぎて行ってたのに。


「じゃ、帰るかなー」

「あ、成宮」

「なに?やっぱり離れたくなくなった?」

「返して」


彼の冗談(?)にも慣れてきて、手を突き出す。

成宮は苦笑いしながら「あーはいはい」と鞄を探って単語帳を取り出す。

それを受け取ろうと一歩近づく。

成宮は、私の手に単語帳を置くと、私が離れるまえにぐっと両手でほおを包む。


「っ…!」

「…好きだよAちゃん」

「………あ、そ」


近い距離で見る成宮に、目だけそらして返事をする。

誰でも好きと言われれば心臓も動き回るし、困る。

それも慣れてないような私にストレートに思いをぶつけてくる彼は、


きもいし、

重いし、

甘ったるい。


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どうかこの甘ったるい言葉に飲み込まれませんように。



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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:ちか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年2月14日 18時

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