episode.2 ページ3
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結局あの後、春乃と本部室を掃除することにした
本部室はよく監督も使うしお客さんが来た時もよく使う場所だ
「沙月ちゃん、ほんとに選手のこと大好きだね」
机を拭いていた春乃がいきなり手を止めて私に言ってきた
そんなん前からのことだよ、春乃
沙月はあんな奴なんだよ
「おっ、2人ともお疲れ〜」
呑気な声で入ってきた一也先輩の後ろには同級生の沢村栄純
この2人はなんだかんだでバッテリーを組んでいる
一也先輩が受けてる時の栄純はどこかいきいきしていて見ているこっちが心を奪われる
一也先輩は近くにあった椅子に座り栄純を床に座らせて正座をさせるとごちゃごちゃと言い出した
「お前のインコース甘すぎ。あんなんバッターに打ってくれって言ってるようなもんだわ」
「ぐぬぬぬぬ…」
「つーかお前は俺のサイン通りに投げればいいんだよ。そーすればお前の力は倍輝くんだからな」
にひひひと笑って栄純を見下す一也先輩
栄純の我慢している顔を見て一也先輩は楽しんでいるようだ
「あっれー!一也先輩じゃないですかー!」
2人の空気を壊すように勢いよく入ってきた沙月
すぐさま一也先輩に駆け寄ると体を密着させて
いつもとは違う甘ったるい声で話し出す
「さっきぃ〜倉持先輩にヘルメット取ってって頼まれちゃって〜取ったらせんきゅ、って言われました♡」
「…あーそう。今俺、こいつと話してるからどいてくんねぇか?」
栄純の方を呼び指して冷たく放つ一也先輩
ほんとこーゆーとこが頼りになるな、って思う
「あ、失礼しましたー!また後で!一也先輩!♡」
また後でって何。仕事してよお願いだから。
そんなこと思いながら仕事を再開し始めると一也先輩が私の方を見て、優しく微笑んで、
「倒れるんじゃねーぞ、A、吉川。」
そう言って栄純を連れて本部室を後にした
2人残された私達には沈黙が流れる
「…御幸先輩、優しいね!」
「意地悪なところもあるけどなんだかんだで頼りになるよね」
ほんとあの先輩はずるいと思う
あんだけイケメンで性格はまあ悪いけどいざとなる時頼りになるし
「よし!本部室終わらせて次の仕事行こっか」
春乃にそう告げて再び仕事を再開した
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やきゅ。(プロフ) - ありがとうございます!!!ほんと良かったです(笑)はい!!頑張ります!!!! (2016年9月18日 23時) (レス) id: 8b96d83d0b (このIDを非表示/違反報告)
月の下(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後みんな仲良くなってすごくよかったなぁ〜( ´ ▽ ` )って思いました!これからも頑張ってください!! (2016年9月18日 21時) (レス) id: 8e9e795255 (このIDを非表示/違反報告)
やきゅ。(プロフ) - もっさんズさん» 初めまして!!ありがとうございます!!そう言って頂けるだけで嬉しいです(;;)こちらこそこんなつまらない作品を読んで下さりありがとうございました!!! (2016年9月13日 5時) (レス) id: 8b96d83d0b (このIDを非表示/違反報告)
もっさんズ(プロフ) - おつかれ様です!更新おつかれ様です!楽しかったです!ありがとうございました! (2016年9月13日 0時) (レス) id: 08bfc6c823 (このIDを非表示/違反報告)
やきゅ。(プロフ) - もっさんズさん» 初めまして!!(´∀`*)本当ですか?!すっごく嬉しいです…(;;)ありがとうございます!!頑張りますっ!!!! (2016年9月9日 6時) (レス) id: 8b96d83d0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やきゅ。 | 作成日時:2016年7月17日 21時