【◇】 敵 と 味 方 。

episode.17 ページ19

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｢そんでさ〜俺らの目的は｣

｢お前が一人で溜め込んでないかを｣

｢確認するためだ！わはははは！｣



さっきまでわいわい騒いでいた3人が
一也先輩、倉持先輩、栄純の順にいきなり言い出した

私がその場にストっと座ると一也先輩は
あぐらをかいて私の前に座る




｢････大丈夫ですけど｣

｢嘘つくな、ひゃはっ｣



そう言いながら一也先輩の隣に同じ格好で座る
一也先輩をちらっと見ると膝に腕を立て、顔をのせてむす〜っとしている




｢隠さなくていいからな？｣

｢･･･････なんも隠してないです｣



一也先輩の顔がさらにむす〜っとするのが分かった




｢A！！俺に話してみろ！な？｣

｢･･･１番頼りないけどね、あんた｣



｢なんだと！？｣と言ってぶつぶつ言いながら倉持先輩の隣に座る栄純

この光景は受験の時の面接のようだ




｢･･･ぜってぇ抱え込んでんだろ｣

｢いや、だから｣

｢嘘つくなって言ってんだろ？｣



一也先輩の超えのトーンが下がったのが分かった私は思わず下をうつむいてしまう




｢あー！！！御幸一也がAを泣かした！！男としてさいてーだと思うけどなー！俺は！！｣

｢泣いてねぇよバカ、すこし黙ってて？｣



うるさい栄純に冷たくそう言うと今度は倉持先輩が口を開いた




｢･･･まあ、御幸の気持ちも分かるけどな｣

｢え？｣

｢･･････俺らってよぉ、そんなに頼りねぇか？｣



そう言うと倉持先輩の目はどこか悲しげな目をしていて私の中で罪悪感が湧いてくる




｢そんなんじゃないです！そんなんじゃないけど…！｣

｢そんなんじゃないけどなに？｣



困る私に聞く一也先輩。
ほんと意地悪だな〜って思う

自分の膝の上で拳を力強く握って覚悟を決めたかのように一也先輩を見つめて言う



｢･･･私は野球に一途な選手のみんなを支えにマネージャーしてます。沙月は…ただ部員とわいわい楽しく喋っているだけで仕事もしないし先輩に頼まれたこともしない｣



喋り出すと止まらない。
これがわたしの悪い癖。



｢･･･ただ単に部員と喋りに来てるだけ、だけなのに部員はそれに気づかない。｣



気づかないとかほんとにたまったもんじゃないよ。



｢･･･正直辞めようと思った。けどこうして先輩達が支えてくれている。…絶対にやめないと思った…これが私の本音です。｣



私の話を聞いていた3人は珍しく静かになった

最初に口を開いたのは一也先輩だった。



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