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『あ、真クン』
「A?占いに来たのか?」
『いやいや、コレだよこれ』
腕章を見せると、そういえば言っていたなと納得していた。彼が驚いているのは、私があまり占いを信じないタチなのを覚えていたのだろう。
『せっかくなら他の人みたいにローブ羽織ってさ、写真撮らせてくんない?』
「嫌なのだよ」
『いいじゃんおねがーい。おは朝だっけ?あれのラッキーアイテム私が持ってるものだったら貸すしさ』
ねー?とお願いをすると仕方ないなと了承し、ローブを取り出していた。……もしかしなくても彼、おは朝グッズの事になるとチョロいのでは?緑間じゃなくてチョロりまじゃん。
何枚か撮って、ありがと〜とお礼を言う。おは朝ラッキーアイテムのこと忘れるなよ、と釘を刺されたがそこまで私はアホじゃない。というかこんな約束しなくても貸すんだけどさ。
すると、桃井さんと黒子がやってきた。珍しくないようで珍しいペアだ、一体何事だとその場に居続ける。
「桃井と黒子?」
占いに来たのか?と二人に視線を向ける、桃井さんが声を掛けると、真クンはお前とは関わりたくないとハッキリ言った。
何かあったのかと考えていると、突然桃井さんが真クンのラッキーアイテムを奪い黒子に渡したと思えば黒子はそのまま走り去ってしまった。
「Aお前も一緒に追うのだよ!!」
『……ハ!?いやちょっと待ってよ!!私まで巻き込まないで!?』
とりあえずついて行くが、黒子を捕まえる気はないというか、写真を撮ってやる。面白そうだし。
すると、並走している桃井さんにごめんと謝られる。こっそり教えて貰ったら、クイズ研のスタンプラリーでのお題に必要だったというもの。
丁度次行く予定だったしいいか、と諦める。
『さつきスタンプラリーの噂知ってるの?』
「えっ!?い、いやぁ、えへへ」
『……ま、私優勝者撮るように指示されてるからさつきちゃん達撮れたら嬉しいなぁ』
「頑張る!」
黒子を追って走ると外に出た、私は楽そうに追っていたが桃井さんにねぇと話題を振られる。
「きーちゃんと何かあった?」
『んー、要約すれば女の子に対して軽いから最低って言った』
「あー……」
『部活に支障出てた?』
私の質問に対して、うーんと少し目を逸らした。支障出てたんだ、それは申し訳ない……ってなんで私がそう思わないといけないんだ。
と考えていると、真クンに思いっきりぶつかった。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時