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部活後の居残り練習中、少し涼もうと体育館の外に出て部室に向かっている時だった。旧図書室の電気が付いていることに気が付いた。……そういえば、やけに文が書き進んでいたのは、居残りをしているのか?
それならあの時誤魔化さずそのまま言えばいいものを……仕方が無い、今日はもう切り上げて見に行ってみるのだよ。
部室に戻らず体育館に戻った。そして近くにいた赤司に声をかける。
「すまない赤司、今日はもう切り上げるのだよ」
「珍しいな、何かあったのか?」
「……いや、特には、」
「!……わかった。」
自分のタオルを持ち挨拶をしてから体育館を後にした。
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「赤司、緑間のヤツどうしたんだ?」
「きっと彼女がまだ残っているのを見つけたんだ」
「彼女?……あー、アイツか。てか残って何すんだよアイツ」
青峰と赤司が話していると、黄瀬が興味ありげになんスかー?と寄ってきたが、青峰は関係ない話だと追い払って、赤司から離れた。
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制服に着替え、旧図書室の前に着いた。
教室の戸をいつもの通りに叩くと、中からドタバタといつも以上に騒がしい音が聞こえてくる。扉が荒々しく開かれるが、そこに立っているコイツは、どう見ても髪はボサボサで、眠たそうな目をしている。
すると、何回か瞬きをして目がしっかり覚めたのか、驚いた表情をしていた。
『みど、み、緑間クン!?ぶ、部活は』
「もうとっくに終わってるのだよ。帰るぞ」
『え!?いや、時間、まだ居残り練習の時間じゃ……!?』
「今日は用があるから早めに切り上げた、そしたらここの電気が着いていたのでな」
あは、アハハと笑うコイツは、髪の毛を整えながら教室に戻り、帰宅の準備をしていた。最後に電気を消し、『お待たせ』と一言いい教室の鍵を閉めていた。
『……でも、用事あるなら、私の所来たら時間食うじゃん』
「うるさいのだよ」
『はー?私心配してあげたのに……』
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時