◇ ページ24
『……え、じゃあ、私見つけてくれたの緑間クンなの!?』
「おう、緑間顔面蒼白でよ。もう少し早く行っていればとか呟いてたぞ。」
緑間とは、交換してよろしく位しか会話してないからトークは上に居ないはず……まさかと思い、電源が切られた携帯を開き、トーク画面を見る。一番初めに目に入ったのは、メイが心配そうにしてくれてること、そしてその下の緑間真太郎という文字。
トークを開いてみると、昼休みに緑間が、今日は昼居ないのか?と送り、それに対して私が助けて 旧校舎1階と送り付けたような内容になっている。
偶然か話が通じている。
というか、水曜日だから緑間クンは来ないだろうという油断から連絡はしてなかったけど、まさか、こう……
私は必要以上の連絡先を交換していない。
涼太にだって教えてない。
でも、緑間は、何かあった時のためにと交換した。
赤司は、メイと交換させる流れを作る為に。
でも理由はそれだけじゃないはず、それだけの理由で交換するほどの私じゃない、多分私の中で、あの旧図書室での日々が楽しくなっていたのだろう。
『…緑間クンに謝らないと』
「そうしてやってくれ、そうしないと勉強にも影響でそうだしな」
『テスト週間で部活無くてよかったね』
「そうだな、あの様子じゃ、絶対練習に身入って無いだろうし。……しかし、あの緑間がな……」
『?どうしたの』
修造兄さんは、何でもないと笑って頭を撫でようと手を伸ばしかけたがその手を止め自分の方に戻した。「今は、撫でたらまずいか」と笑って肩を軽く叩いてくれた。そのまま視線を扉の方に向けた。
「しかし、カヨおばさん荒れてんな。」
『私の予想以上だよ』
「……ん?予想以上って……お前まさか今回の事」
『さぁね、私は結構カメラ壊されて傷付いてるんだから』
「……はぁ、だからって無茶するのは違うだろ……」
修造兄さんは、溜息を眉間あたりに手を置き唸っていた。
私は善人なんかじゃない、悪人だ。自分が良いように活動出来るように、しか考えない。
私が物理的に傷つくだけで済む方法だと思ったが、思ったより被害を出してしまった。特にメイと緑間クンには謝らないと。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時