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Prolog ページ2
大人しめの女の子が私に近づいてきて、黄瀬くんにコレを渡して欲しいと綺麗に包装されたモノを託された。特に断る理由もなく、それを受け取り、放課後黄瀬くんへと渡した。
「げーっ」
『りょーくん、せっかくプレゼントしてくれてるんだからそう言ったらだめよ』
「別に、プレゼントはいいんスけど。直接渡さずにA経由なのが嫌っス」
Aだって嫌じゃないんスか、と問われるが、私は別に面倒だとも感じてはいない。だって渡すだけだし、別に涼太と私は特別な関係でもないのだから。
中学も何となく同じに。親も同じにする事に特に反対は無かったし、むしろ一緒の方がいいでしょと言われたぐらいだった。
私は、親戚が居るからそこにしたかったのだけれども。まぁいいやと半分諦めた。
実際入学して私は少しずつ涼太に距離を取るようにした。
「あ!Aっち、一緒に帰ろっス!」
『……今日は部活があるから。他の人と帰って、ごめん黄瀬クン』
「え…?」
あの時の困惑した表情はきっと、一緒に帰ることを断ったからじゃない、私が呼び方を変えたから。
距離が少し出来た。
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作者名:杜若 | 作成日時:2020年8月20日 20時