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『相田先輩、りょ……黄瀬クンに会いたいって言われたので、ぱぱっと会ってきます』
「分かったわ、座席はメールしておくから迷子にならないようにね」
『ありがとうございます』
大我の携帯を使って再び涼太に連絡すれば、選手控え室の近くまで来てくれとの事。
近くまで行けば涼太の姿が見えた、私の姿を発見して笑顔で両手を降っていたと思えば私の右足と松葉杖を見て小さく悲鳴をあげた。
「どどどどーしたんスか!その足!」
『足踏み外した』
「それなのに合宿着いて行ったんすかぁ…??」
『涼太なら分かると思うけど、相田先輩の料理がさつきちゃん並でメンバーの生死を握ってるとまで言われたら行くしかないじゃん』
そこまで言えば納得という表情を見せるがその表情は一瞬で驚きへと変わった。
「ま、待って、え?Aっちが料理?」
『そう、合宿の朝昼晩のご飯作りしかしてない』
「っ〜〜〜!!!!ほんっっっと!!!……ずりぃ〜」
『は?私がサボってるって言いたいの?』
「違うっス!そうじゃないっス!」
今の話の流れ完全にそうだろ、むしろそれ以外無いだろ。
すると涼太は私の両手を自分の両手で包み込んだ。そしてそのまま自分の顔の近くまで持っていきおでこへとくっ付けた。
「今日、青峰っちに勝つためのおまじない
……Aっちが来てくれて本当にうれしいっス、少し心に余裕が出来たっス」
『…そう?ま、私達青峰達にボコボコにされたから、私たちは私たちでまたリベンジする時にボコボコにするけど
……インハイでの私達の仇をとってよね』
「!了解っス、俺すーーっごい練習して強くなったんスから
勝ったらAっちに褒めてほしい」
『分かった分かった、ほらあんまり私に時間取ってたらいけないでしょ?上で応援するから、張り切って後悔のないように全力出してきなさいよ』
「うん、了解っス……へへ、じゃ、また後で」
『後でね』
涼太を見送って、相田先輩のメールを確認して座席へと移動した。
正直涼太と大輝がどこまで張り合えるかは未知数だ。
どちらも矛の人間、矛と矛がぶつかって変に壊れなければいいが。
「ちゃんと迷子にならずに来たわね」
『すみません幼馴染のわがままには弱くって』
「いいのいいの、彼もきっと貴方に直接あって応援受けたかったんだと思うから」
『……そうですね』
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作者名:杜若 | 作成日時:2024年2月12日 23時