35 ページ1
試合が開始された。
大輝の様子は完全に仕上がっているようで、先程とは違ってやる気を出してきているようだった。
しかし、どこか違和感を感じる……まるで型にハマった様なバスケスタイル。大輝のプレイスタイルじゃない。
そう感じているときだった、大我がブロックに回った時、突然大輝がボールを手から離したと思えばそのまま大我の背の方へまわる様に動きそのままゴールへと向かった。
突然そんな事をされれば対応できる人間なんて居ない。
ゴールで三人同時に飛び上がり防ぐが、ゴールの裏側から投げ入れるというトリッキーな技を見せられる。
「まるで動きがデタラメね…」
『大輝はストリート出身ですから、あぁ言うのが本来のスタイルに近いんですよ』
「でも、本当に全く動きが読めない」
『……大我、折れないで……お願い』
しかしそこからは大輝の変則的なゴールスタイルで誠凛側は防ぐ事が出来ず、点は取られてばかり……それに大我のジャンプでさえ大輝を止めることが出来ない。
そして、メンバーチェンジで黒子が入る事になる。
……良くなることを祈るが、どうも心がザワついて…ザワついて……落ち着くところがなくて……自分の手を握るしかなかった。
黒子のロングパスにより大我へボールが通る。大我はそのボールをゴールへと入れず日向先輩へパスしそのまま先輩が3Pを決めてくれる。
後半に入ってやっとの得点となる。
その次も、黒子が桐皇のパスをカットし伊月先輩へと通して連続ゴールとなる。
ここまで順調だと言う雰囲気が周りには漂うが、私はまだ手を震わせていた。
このままのペースで行こうとしていた時、恐れていた事が起きた。
黒子の
5人抜き……
そこからの試合は、もう、酷く、黒子のパスは通らなかった。
『!監督、大我が、チェンジを!』
「え、え、……!」
誠凛のメンバーチェンジが告げられ中にいた大我が驚いていた。
「なんでまた…?テーピングも問題ねーよ…です!!」
「いいから戻れよ」
「大丈夫っすよ!
それにまだ試合は…こんな所で…!」
「いいから戻りなさい!!」
相田先輩の声に驚き少し俯いて大我はベンチへと戻ってきた。
365人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:杜若 | 作成日時:2024年2月12日 23時