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．
雅「ほら、顔上げる」
それでも震えたまま
譫言のように「行かなきゃ」と繰り返す二宮は
言葉とは裏腹に
呼吸も乱れ……頼りなく
支えを外せば、恐らく膝から崩れてしまう
相葉は堪らずその肩を押し戻し
青ざめた二宮の両頬を、両手に挟み
語気を強めた
雅「…ニノ！
… いい？よく聞いて
俺も皆も同じだよ
早く大ちゃんとこ行きたい
今すぐにでも助けに行きたい」
和「だ…たら早く… …」
雅「そうだよ！だけど、…
だけどそれには
お前が早くしっかりしなきゃ、だろ？
今、皆は お前の事を待ってんの」
和「待っ… てるって 何を… 俺は…！」
雅「だから聞けって！！」
振りほどこうとされた腕
しかし相葉はそれを拒み
無理矢理、二宮に膝をつかせると
同じ高さに腰を下ろし
じっと瞳を見つめて言った
．
雅「…… どんだけ一緒にいると思ってんだよ
見ればわかるよ、今ニノがどんなに辛くて
どんなにボロボロかくらい
でも、… …
待つにも、…慰めんのにも…
も 本当に時間がないから…、
だから今は
お前にこうして頼むしか…」
そして相葉は
再び二宮の頬を包んだ
儘ならない吐息に貧血を起こしているのか
そこは冷たく……絶えず震えて
見つめた瞳も怯えきったように
行き場所を失い、虚ろを見ていた
和「…だから何 を…だよ、
行け るって 言ってんだろ 俺は… それより早 く翔さ…達を…」
雅「、…違う！ちっともわかってない！
無理なんだって今のお前じゃ…
俺らの事も自分の事も、今のニノは全然見てない
そうだろ！？
さっきの翔ちゃんの声だって、何にも聞こえてないじゃんか！！
それでどうやって大ちゃんの事…、…」
光の消えた二宮の瞳が
大野の名前にピクリと動く
それを見た相葉は
唇を一度噛みしめて
それでも尚……訴え続ける
雅「……ねぇニノ
…確かに今、最悪の状況で
普通ならもう帰還しかない
それに… 戻って助けられたとしても
あの怪我だもの…厳しいよ
なのに、そのためにまた全員が命懸けるなんて
無茶苦茶だし どうかしてる
でも……だとしてもだよ
俺も、あの二人も諦めてない
皆まだ 道はあるって信じてる
なのに…さ
なんで…
… …言ったろ
俺には分かっちゃうんだって
なぁニノ… なんで、
助けなきゃって言ってるくせに
だったらなんで
… 諦めてんだよ… お前自身が…」
和「… … ｯ… 、ｳ…」
すると、頬に添えた親指に
二宮の涙が……伝い流れた
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ほうれん草(プロフ) - 初めまして！どうしても気持ちを伝えたくて会員登録しました！現在大学生なのですが、小学校の頃から何度も読み返して楽しませていただいています…！TEMPESTは間違いなく1番好きなケータイ小説です。これからも楽しみにしています！更新ありがとうございます！ (2020年11月23日 3時) (
レス) id: f0434b5d68 (このIDを非表示/違反報告)
ペコちゃん - 毎回ハラハラしながら見させてもらってます。リーダーのその後が気になって仕方がありませんっ！更新首を長〜くして待ってます！ (2020年11月12日 20時) (レス) id: 726f26b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
めいそん(プロフ) - TEMPESTで見させてもらった景色が何年経っても忘れられず、ふとまた覗きに来てみたら更新されていてびっくりしました！一気に読み返してしまいました。またこの世界の続きが見られると思うととても嬉しいです。更新ありがとうございます！ (2020年9月13日 20時) (レス) id: 3acd423d16 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - サハラさんの更新通知がとても嬉しいです！サハラさんが描く5人が大好きです。是非結末まで見届けたいと思います。 (2020年9月6日 14時) (レス) id: d6343d5c60 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - サハラさん、更新ありがとうございます。美しい風景描写にうっとりします。本当に大好きです。余韻に浸りながら次の更新をゆっくり待ってます。 (2020年9月1日 18時) (レス) id: 481bc4ee81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サハラ
作成日時：2018年4月13日 12時
