近くて遠い《2》 (ページ8)

今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:139,356 hit

P.55 ページ8

.

それからしばらく時間が経ち、ふと長野さんを見ると隼人くんと仲良さそうに話してた。

こっから見るとその姿はお似合いなカップルって感じ。

咲良「ねぇ」

『ん？』

咲良「抜け出さない？

もうつまんない！

参加したことには変わりないしもういいでしょ」

『いや、でも…』

咲良「あっ、すみませーん！

私達ちょっと飲みすぎちゃって体調悪いのでお先します！」

まだ何も言ってないのに突然立ち上がり、そう言い出す咲良ちゃん。

「大丈夫？」

心配そうに声を掛けてくる先輩。

咲良「お酒弱いんですぅ。

あ、いくら置いていけばいいですか？」

「あー、あんまり食べてないし3000円でいいよ」

『あっ、3000円…』

財布を取り出す前に咲良ちゃんがぽんっと6000円机に置いた。

咲良「はいっ、じゃあ2人分で！」

西島「飲みすぎたの？大丈夫？」

心配そうに駆け寄ってくる隼人くん。

咲良「大丈夫です！私ちゃんと送って帰るんで！

じゃあお先しまーすっ！

………行こ？」

『あ、ごめん。お先します』

私の腕を引いて強引に店を出た。

咲良「ふはーっ！しんどかったー！

よし、飲み直すよー！」

『えっ、あ、咲良ちゃんお金！』

咲良「いーのいーの！」

『いや、悪いよ』

咲良「じゃあ、次のお店で、ね？」

私近くにあるいいお店知ってるんだー！

なんて、腕を引いたままズカズカと歩いてく。

『ありがとね』

咲良「何がー？」

『気遣ってくれたんでしょ』

咲良「私気遣うとかよく分かんないっ。

2人で飲みたいから連れ出しただけ」

そう言ってテヘッと舌を出した。

女友達なんて…って避けてたけど良い子じゃん咲良ちゃん。

『よしっ！今日は飲もう！』

咲良「っしゃ、飲むぞー！」

.

.

.

咲良ちゃんに連れてこられたのは店内が少し汚めで

スーツのおじさんが多いTHE･居酒屋って感じのお店。

咲良「よしっ、じゃあ改めまして！」

『乾杯』

「乾杯」

咲良「ぷっはーっ！うん、うまい！」

『なんか、咲良ちゃんこういうお店来るの意外』

咲良「そう？私ってどんなイメージ？」

『んー、まずお酒飲むイメージなかったなぁ。

パンケーキ屋さんとか行ってそうな感じ』

→