近くて遠い《2》 (ページ45)

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『体起こせる？』

小瀧「おん……」

『はい、』

体を起そうとする望を手伝い作った雑炊を渡した。

『熱いから気を付けてね？』

小瀧「ありがとう。

……いただきます」

『ん、』

小瀧「………あつっ」

『だから熱いよって言ったじゃん』

はふはふさせながら雑炊を口に入れた。

小瀧「ん…んまっ」

『よかった』

小瀧「ほんま、料理はうまいよな。

ええ嫁さんなれるで」

『そ、そう？』

小瀧「俺が保証したる」

望が食べてる間、何をしてたらいいのか分からなくてただひたすらご飯を食べる望を眺める。

本当に美味しそうに食べてくれる姿に思わず頬が緩む。

『なんか、望の家久々』

小瀧「せやな。

前は毎日来とったのにな」

『んね、』

小瀧「会社はもう大丈夫なん？」

『あー…うん。

嫌がらせしてた人、辞めたから。』

小瀧「そっか。よかった。」

『ありがとね、あの時は駆けつけてくれて』

小瀧「Aのおかんから電話なんて普段来うへんからびっくりしたわ。

出たらめっちゃテンパっとるし」

『その割に私には

望行かせたから大丈夫やろ？

って一回もお見舞い来なかったけどね』

小瀧「ははっ、相変わらずやな。

お前のおかんらしいわ」

『あの小瀧への絶対的信頼はどこから出るんだか』

小瀧「まぁ、俺やからな」

『なんなんそれ、意味分からへん』

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作った雑炊は完食してくれて

薬を飲ませて再び寝かせた。

『よしっ、薬も飲んだしあとはゆっくり寝な？』

小瀧「帰るん？」

『うん。

……あ、七瀬に連絡しておくね？小瀧風邪で死にそうだって』

小瀧「あー…ええわ」

『え、いいの？この状態じゃ誰かいないと何もできないでしょ』

小瀧「……Aがおってや」

『はっ？』

小瀧「ここにおって。」

眠いのか、トロンとした目で訴える。

『………はぁー。じゃあ寝るまでだよ？特別だからね？』

望がそんな事言うなんて珍しい。

弱々しい声でそんな事言われたら断れなかった。

小瀧「ん、ありがとう」

望が寝るベッドに寄りかかり座った。

『何か昔話でもしてあげようか？』

小瀧「いや、いらん」

『じゃあ子守唄でも歌う？』

小瀧「それもいらん。」

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