近くて遠い《2》 (ページ44)

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『小瀧ー？入るよー？』

持ってた合鍵で鍵を開けて、中へ入る。

急いで寝室へ行くと、辛そうにベッドで丸まる望の姿。

『ちょっと、大丈夫！？』

小瀧「おん……すまんなぁ、わざわざ」

『熱、どれくらいあるの？』

小瀧「分からへん、測っとらん」

『ばか！ちゃんと測りなさいよ！』

前までよく出入りしてた家だ、体温計のある場所は把握していて、すぐに体温を測らせた。

小瀧「すごいなぁ、俺でも体温計の場所知らんのに」

『自分家なのに把握してない方がおかしいよ？』

小瀧「ふっ、やかましいわ。」

少し待つとピピピピッと体温計が鳴り、確認してみる。

『39.6℃！？え、病院行く！？』

39℃超えだもん、そりゃあこんな死にそうになるわ…。

小瀧「病院行く方が体力使うからええ。

Aが看病してや。」

『そ、そういうのは七瀬に頼みなさいよ！』

小瀧「何でそこで七瀬が出てくるん」

『当たり前でしょ！彼女なんだから！

頼む相手間違えてますよーっ！

あ、冷えピタ貼りまーす』

えいっ！とおデコに貼ってあげると冷たかったのかビクッと反応した。

小瀧「はぁー、気持ちぃ」

『この様子だとご飯食べてないでしょ？』

小瀧「おん、食べてへん」

『何か食べないと薬飲めないよ？

何か作る？食べれそ？』

小瀧「残念やけど冷蔵庫、何も入ってへんで」

『だと思って家から材料持ってきてまーす！』

小瀧「おっ…さすができる女や」

『褒めてもらえて光栄です』

キッチン借りますと一旦寝室から出て急いでご飯を作る。

味気のないお粥じゃあれかなと思って、生姜とかネギとか風邪に良さそうな食材も入れて雑炊を作った。

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『ん、おっけ』

出来上がった雑炊を持ち、寝室へ戻るとすやすや気持ちよさそうに寝てる望。

『寝てるし……』

起こすのはちょっと可哀想だなって思ったけど

ちゃんと食べて薬飲まないと治るものも治らないから

体を揺すって起こしてみる。

『小瀧ー？ご飯できたよ、食べな？』

小瀧「……んっ」

ゆっくり目を開ける望はやっぱり辛そうで

風邪のせいか少し潤んだ瞳が色っぽい。

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