近くて遠い《2》 (ページ41)

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『けど…いつまで経っても七瀬のこと忘れてくれへんかった。

悔しいよなぁ。

楽しい時も辛い時も苦しい時も私が側におったのに

急に出てきた人に2回も取られてしまうんやもん。』

七瀬「本当にごめんなさい。

だから、今度は……今度こそは悪者貫きたいから

望のこと罪悪感とかに邪魔されて手放したくないから

Aがしたいこと、私にして？

一発殴ろうが、どんなに酷いこと言われようが

全部全部受け止めるから。

今まで私がしてきた分、ちゃんと受け止める」

真面目な顔して、そう言う七瀬に私の中でずっとあった何かがなくなった気がした。

『ぷっ！！何言うてんねん。笑

そんなんできひんよ』

七瀬「っ、」

『あんな？私、今度結婚するんよ』

七瀬「はっ、？嘘でしょ？」

『こんな状況で、嘘つかへんて。

望……小瀧の事ずっと諦められへんくて

あーどないしよぉって思うてる時に

会社の上司がゆっくりでええから忘れさせたるって言うてくれて

この間、その人からプロポーズ受けてん。』

七瀬「そのプロポーズ受けたん？」

『んーん、まだ。

ずーっと、いまいち覚悟できひんくて

何て返事したらええんやろって思うてた。

けど、七瀬のお陰で覚悟決めた！』

七瀬「私？」

『小瀧の事、好きなんやね？ちゃーんと伝わった。

多分ずっと心配やったんやと思う。

また七瀬に振られたら、私が側におらんかったらって。』

七瀬「………」

『……ありがと、七瀬。

やっと、結婚するって決断できそうです。』

七瀬「………」

『七瀬、』

七瀬「ん？」

『小瀧って寝起き悪いし

朝ごはんしっかり食べないし

体力ないからすぐバテるし

気分屋で自己中で口悪くて

超末っ子気質でわがままだし

すんごい大変な性格した男だけど』

七瀬「うん…」

『人が作るご飯は何でも美味しいって食べてくれるし

何かあったらすぐ駆け付けてくれるし

何も言ってないのにエスパーですかって思うくらい

人が悩んだり落ち込んだりしてる事にすぐ気付くし

小瀧が頭を撫でてくれる手は何よりもパワーを貰えるし

小瀧だったらどんな時でも必ず守ってくれると思う。』

やだな、何で涙が止まらないんだろ。

『だから……幼馴染として。

小瀧望のことをよろしくお願いします！』

そう言って、七瀬に深々と頭を下げた。

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