近くて遠い《2》 (ページ39)

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七瀬「うるさいな～、そんな事言ったらAだってそうでしょ？」

『私は、生粋の関西人ではないから

昔からコテコテではなかったもーん。』

七瀬「やかましいわ！笑

…Aは？いつからこっちに来てたの？」

『私は～、もう5年くらいになるかな？

小瀧と卒業後一緒に上京したから…うん、多分それくらい！』

七瀬「そうなんだ…」

『あっ！いや、あれだよ？

小瀧と一緒に来たってのも私の両親がうるさくてさ？

東京は危ないから、望と一緒に行きなさい！って！

仕方なく一緒に上京して来て、仕方なく今は隣に住んでるだけだから！』

七瀬「………」

『あー…ごめん、こんな話聞きたくなかったよね』

七瀬「……Aにね

ずっと、ちゃんと謝りたいって思ってたんだ」

『え？』

七瀬「高校の頃一番仲良かった友達だったくせに

望に対する気持ちも知ってたのに

裏切るような事しちゃってさ……本当ごめん。」

『……っ』

七瀬「最初は本当に望をAに振り向かせようと思って

積極的に声掛けてみたり、色々探ろうと思って一緒にいたのに

いつの間にか、私も望のこと好きになっちゃってて」

『………』

七瀬「その気持ちに気付いたらもう止まらなくて…

望から告白された時、断る事ができなかった…」

改めて、望から告白を受けたことを聞くと胸のあたりがチクっと痛む。

七瀬「望はすぐに付き合った事、Aに報告しよって言ってたのに

Aの気持ちを知ってた私はどうしても言えなかった。」

次々と、当時の話をしてくる七瀬。

七瀬「高校3年になって、望と私はAとクラスが別になって

正直ラッキーと思ってた。

このまま話さなくて済むし、ぶっちゃけ望と仲良くされるの嫌だったし。

Aの気持ちなんてどうでもいい、望がいればそれでいいって思ってたの」

いくらもう数年前の話だとは言え、七瀬の言葉がグサグサ刺さる。

七瀬「でもさ？ある日、私らに言ったでしょ？

七瀬は私の親友で、望は私の幼馴染みで

そんな2人が付き合ってくれたのはすごく嬉しい、応援するって……」

『うん。』

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