近くて遠い《2》

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久々に聞いた母と望ママの声。


いつお母さんに電話しても


しげちゃんママや望ママに電話取られて


母とはろくな会話ができない。






『相変わらずや。笑』






母たちの声を聞いたら少し元気が出た。






『よっしゃ明日も頑張ろ！』








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───数日後









嫌がらせをしてくる人を突き止めないと


いつまで経っても終わらないと思い


誰よりも早く出社してみた。






『よし、一番。』






自分の机の引き出しを開け確認する。






『…………はぁー。だめだ、遅かった。』






そこにはすでにいつもの様な嫌がらせがセッティングされてた。






『ほんまに誰なん。』






慣れた手つきで引き出しの中身を片付ける。


慣れというものは怖いなと感じた。


誰がこんなことをしてるのかは分からないけど


恐らく、前に隼人くんから頼まれた仕事の資料を隠した人と同一人物だと思う。


これ以上エスカレートしないうちに探し出して


どうしてこんな事をするのかちゃんと話し付けないと。






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しばらくすると続々と出社してくる職員たち。






咲良「あれ？おはよー」





『あ、おはよ』





咲良「珍しいね、こんな早いの」





『あー、昨日やり残した仕事あったから』





咲良「なるほどね。

…ねぇ、そういえば今週うちの部署で飲み会だって聞いた？」





『え、そうなの？聞いてない』





咲良「外の掲示板に書いてあった。

親睦を深める会だってさ〜。」





『それって強制参加？』





咲良「自由参加って書いてあるけど、大魔王も来るみたいだから参加しなかったら何言われるか…」





『えぇ、やだなあ。』





咲良「しかも、土曜日だよ？

休みの日になんで上司の顔見ながらお酒飲まなきゃないのよって」





『今までそんな事なかったのにね』





咲良「なんか西島さんが大手との商談成功して

大魔王がそれで最高に上機嫌になって企画したんだって。

親睦会という名の俺の部下は優秀だ！って自慢したい会でしょ」





『なるほど』





咲良「にしてもすごいよね、西島さん。

上からも認められて海外転勤なんて噂も出てるんでしょ？」





『海外転勤？』





咲良「え、聞いてないの？」





『うん、何も聞いてない』





咲良「ちょっと、あんた彼女でしょー？

彼氏の情報くらい把握しておきなさいよ」








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