近くて遠い《2》 (ページ30)

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西島「俺がAちゃんに仕事頼んだ時

資料がなくなって、本当は薄々誰がやってるか分かってるって話したでしょ？」

『うん…』

西島「実は、何回か長野から告白されたことがあって。

あまりにしつこくて、酷い言い方をしてしまったことがあったんだ。

それから俺が女の子に仕事頼むと、その度に何かしら問題が起きて

Aちゃんのことがあった時、彼女に問い詰めた。

嫌がらせしてるのは長野だろ？もうやめてくれって」

『……』

西島「でも違うって、私がやったって証拠は？って開き直ってさ。

まさか、Aちゃんがそんな嫌がらせ受けてるなんて知らなかったから

あー、やっと分かってくれたんだなって油断してた」

『そうだったんだ、』

西島「ごめん、俺のせいだ。」

『そんな自分のこと責めないで？

隼人くんは悪くないから』

西島「長野と話したんだよね？

その時は何もされなかった？」

『うん、びっくりするほど素直に謝罪されて。

だから私も、もう嫌がらせなんてしないだろうって思って

……けど、今日の昼休みに社内メールで』

社内メールの内容を私の口から言うのは何だか嫌で

それを察した隼人くん。

西島「分かった、もう話さなくていい、分かったから。

こんな小さい体で1人で抱え込んで、よく耐えたね。

あとは俺がちゃんとするから、安心して？」

『何とかって何するの…？』

西島「大丈夫、Aちゃんは心配しないで

いっぱい食べて、いっぱい寝て、早く元気になることに集中してください。」

なんて言うけど無理しないか心配だ。

西島「なんでそんな心配そうな顔するの？

安心しなさい！俺、仕事でき男だよ？」

ポンポンと頭を撫でながらニッと笑う隼人くん。

『ん、分かった。

でも本当に無理はしないでね？』

西島「大丈夫、大丈夫。

……よしっ、じゃあ俺もそろそろ帰ろうかな？」

『ん、帰るの？』

西島「そんな顔されたら帰りたくなくなるじゃん。笑」

『ごめん』

西島「また来るから、な？

疲れたでしょ？もうゆっくり休んで」

『分かった、』

西島「じゃあ、何かあったらすぐ連絡してね？」

『うん、ありがと』

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