近くて遠い《2》 (ページ31)

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───それから1週間

無事に体調も良くなり退院。

久々の家はやっぱり落ち着く。

今日から、1週間ぶりに出社。

あんな事があった後だし、正直気まずい。

隼人くんが気遣って迎えに行こうか？なんて言ってくれたけど断った。

『よしっ！』

重い腰を上げて家を出る。

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オフィスのドアの前に立ち深呼吸。

気合を入れ直して、笑顔で入っていった。

『おはようございます！

皆さん、先日は大変ご迷惑をおかけしました！』

社内全体に聞こえるように大きな声で言い、頭を下げた。

咲良「Aー！おかえり！

……ほら、おはようって言ってんだから挨拶しなさいよ！」

「「お、おはようございまーす…」」

咲良「よしっ。

さぁ、溜まってた仕事たーくさんありますからね？」

なんて、私の肩を抱きながら机に向かうと、資料が積み重なってた。

『うわぁ、容赦ないね……』

咲良「当たり前じゃん？

あんたしか出来ないんだもん。」

『そうですか…』

はぁーっ、とため息をついてチラッと周りを見渡す。

あれ？長野さんがいない。

『ねぇ、長野さんは？』

咲良「あー…辞めたよ？」

『へっ？』

咲良「辞めたって言うかクビだねクビ！

ざまぁみろだよね～」

『そうなんだ…』

咲良「西島さんカッコ良かったよ～？

大魔王がさ、あの女のことお気に入りだったから

辞めさせるの反対したんだってさ

そしたら西島さんが

"長野を辞めさせないなら、俺が辞めます！会社にとってどっちが最善かよくお考えください！"

って言ったんだってさー！」

『うそ、隼人くんが？』

咲良「そっ！流石に大魔王もそれ言われたら頷くしかなかったみたい」

本当に何とかしてくれたんだ。

『ふふっ、』

咲良「やだ～、顔緩んじゃって。」

『あとでお礼言わないと』

咲良「……望くんにもお礼言っときなよ～？」

『え、なんの？』

咲良「い、いやほら！仕事抜け出して駆け付けてくれたりしたでしょ！？」

『あ、そっか。望としげちゃんにもちゃんと言わなきゃね』

咲良「そうそう！ちゃんとね！ちゃんと！」

『…？はい、ちゃんとお礼します』

咲良「ほら、手動かさないと退院早々残業になるぞ～？」

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