近くて遠い《2》 (ページ32)

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───数週間後

仕事に復帰して、数週間。

お陰様で久しぶりに働きやすい環境で仕事ができてる。

そんな今日は久しぶりに隼人くんとお出かけ。

相変わらず隼人くんは大忙しで

退院後、まともに顔を合わせるのは今日が初めてだ。

西島「Aちゃん！！」

『あ、隼人くん！』

いつも通り、家まで迎えに来てくれて

退院祝いだからって素敵なお店でランチをする。

『んー！！美味しい！』

隼人「良かった、たくさん食べな？」

『私さ、初めて入院したんだけど

病院食って本当に美味しくないんだね？』

西島「へぇ、初めてだったんだ」

『うん！昔から割と体は丈夫な方だから！

病院食、味は薄いし少ないし

お水みたいなお粥は出てくるし

返ってストレス溜まった気がする』

西島「そんなに？」

『そんなに！！

久しぶりに外食したけどやっぱり味がしっかりしてるのはいいね！

もう2度と入院したくないから、体調管理もっとしっかりしようって思いました』

西島「お、それは良いことです」

『みょうじA！2度と入院しないことを誓います！』

西島「はい、俺がその誓いの言葉しっかり受け取りました」

『明日からまた健康管理見直そーっと』

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食事も終わり、車に乗り込むと

いつもなら次はここに行こー！

って行き先を伝えてくれるのに

今日は何も言わずに車を進める

『どこ行くのー？』

西島「んー？内緒」

『ふーんっ、まぁいいけどさ。』

行き先の分からない私は不思議に思いながらも車内での会話を楽しむ。

『入院してた時さ、小児科の病室がすぐ近くでね？

キッズスペースに行ってよく小さい子と遊んでたの！』

西島「……」

『私、昔は保育園の先生になるのが夢で

やっぱり子供っていーなー！って』

西島「……」

いつもなら、うんうんって相槌を打って話を聞いてくれるのに

今日は何故かそれがない。

『ねぇ、聞いてるー？』

西島「…へっ？あ、うんごめん。聞いてるよ」

『なんか変だよー？』

西島「ごめん、考え事してた」

『へぇ、珍しいね』

何だか私には緊張してるように見えた。

今更デートするのに緊張してるのかなー？なんて。

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