近くて遠い《2》 (ページ24)

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───ガラガラッ

咲良ちゃんと話をしてると病室のドアが勢いよく開いた。

咲良「うわっ！！」

『えっ。

……小瀧……しげちゃん…？』

咲良「びっくりしたぁ」

『なんでここに？』

小瀧「お前のおかんから連絡あってん。

今病院からAが倒れて運ばれたって連絡あって

大阪からすぐ行かれへんから行ったってくれって」

今にも泣きそうなしげちゃんと息を切らした望。

体力ないくせに走って来てくれたのだろう。

重岡「Aー！！！！

心配したでぇぇぇぇ！！」

ベッドに横になる私に抱きついてくる。

『ちょっ、しげちゃん恥ずかしいからやめてよ』

苦笑いしながらもよしよしとしげちゃんの頭を撫でる。

『仕事は？』

重岡「Aが倒れたって時に仕事なんてしてられるかアホー！」

『えっ、じゃあ抜け出して来てくれたの？』

小瀧「おん。

まぁコンサートのリハやったしメンバーも大丈夫や言うてくれたから心配すんな」

咲良「あ、はい！椅子どうぞ～」

小瀧「さんきゅ」

咲良ちゃんが椅子を二つ用意してくれて、ベッドの横に座る望としげちゃん。

『ごめんね、わざわざ』

重岡「生きてて良かった」

『そんな、大袈裟な。笑』

咲良「びっくりしましたよ、突然倒れるから」

重岡「………んーと、ごめんキミ誰？」

『あっ、会社の同僚で私のお友達の咲良ちゃん。

私が倒れて、病院までついて来てくれたみたい』

重岡「あーっ！そうなん！？命の恩人や！！

ありがとうな！ほんまありがとう！」

そう言って咲良ちゃんの手を握ってぶんぶんと縦に振る。

咲良「あぁ、いえ全然」

『しげちゃん、咲良ちゃん引いちゃってるから』

重岡「あ、すまんすまん！つい興奮してもうた。笑」

『あ！こちらがしげちゃん』

咲良「Aからお話は聞いてました、初めまして」

重岡「えっ、Aが俺の話してくれてたーん？

なぁなぁ、どんな話ー？？」

咲良「すっごい面白くて優しい方だって」

重岡「うわっ、まじでぇ？照れるなぁ！

…あれ？小瀧とは会うたことあるん？」

咲良「あ、はい。一度だけ」

小瀧「その節はどうも」

重岡「知らん間にAに友達紹介されてるとかずるいで小瀧」

小瀧「紹介ゆうか、な？」

咲良「あれは、事故ですね」

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