近くて遠い《2》 (ページ23)

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『んぅ…っ…』

目を開けると真っ白な天井に点滴が目に入った。

『あれ……？』

咲良「A！？」

パッと横を見ると心配そうに座る咲良ちゃん。

『どこ……？』

咲良「病院！」

『病院？』

咲良「職場で急に倒れたんだよ？」

『あ、そうだったんだ。…ごめん。』

咲良「風邪の症状と軽い栄養失調だって。」

『そっか、』

咲良「ふぅー。

………いつから？」

『えっ、何が？』

咲良「この調子だと前から嫌がらせ受けてたんでしょ？」

『……』

咲良「やっぱり。

どうして相談してくれなかったの？」

『……そのー…何となく言い辛くて』

咲良「望くんの事も西島さんの事も話してくれたのに

どうして肝心なこと言ってくれないかなぁ」

『心配かけたくなかったし…』

咲良「友達に心配かけなくて誰にかけんのよ！」

『ごめん。』

咲良「っはぁー。

……Aに怒っても意味ないか。ごめん。」

『あの後大丈夫だった？』

咲良「えっ？あー…。

この内容信じて連絡したり、外に噂漏らしたやつ見つけたら殺すから！

って、言ってきてあげたから大丈夫」

『いや、こわぁ…笑』

咲良「何言ってんの？

嫌がらせ受けてたAの方が何倍も怖い思いしてるんだよ？

これくらい当然でしょ！」

『ありがと、』

咲良「誰がやったか知ってるの？」

『んー……まぁ』

咲良「誰！？」

『……』

咲良「教えなさい！」

『けど、言わないって約束しちゃったし』

咲良「あんたバカ！？

こんな時に約束とか関係ないでしょ！」

『いや、だって』

咲良「そいつのせいで、こうやって体調崩したりしてるんだよ？」

『これは、私の体調管理のせいであって…』

咲良「はぁーっ。

しっかりしてるあんたがこんな事になるわけないでしょ。

Aの身体は精神的にギリギリだったんだよ？きっと。

自分犠牲にしてまで相手守る必要ある？

お願いだからもっと自分を大事にしてよ…」

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