近くて遠い《2》 (ページ22)

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───会社

会社に着き、仕事を始めるがどうやら風邪が悪化してきてるようで

頭はガンガン痛いし、立ち上がるとフラフラする。

『あかん、こんなちゃんとした風邪久々や。』

スポーツドリンクを飲み、ごまかしながら午前中を乗り切り休憩。

咲良「ふぅー、やっと休憩～！

あ、ねぇねぇ！近くにお洒落なレストランできたらしいんだけどそこでランチしない？」

『あー……ごめん。

私、休憩室でちょっと休んでくる』

咲良「え、体調悪いの？」

『うーん、ちょっと朝から熱っぽくて』

咲良「確かにちょっと顔赤いかも。

無理しないで休んできな？」

『ごめんね』

休憩室へ行き、完備された簡易ベッドで少し横になる。

『はぁー、もう帰って寝たい。

自分の家のベッドが恋しいよ……』

目を閉じるとすぐに夢の中へ落ちていった。

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『んっ……あ！やばっ』

目を覚まし時計を確認すると休憩時間も残りわずかで慌てて起きて戻る。

『寝過ぎた寝過ぎた～！』

オフィスへ戻ると何やら私を見て騒つく社内。

『……？』

咲良「ちょっとどいて！」

咲良ちゃんが怒ったような声を出して、職員のパソコンを強引に操作する姿が見えた。

『え、何事？』

「Aさんってジャニーズと繋がりあったんですね！

今度紹介してくださいよ～」

名前も知らないような女の子に突然声を掛けられたが、ちんぷんかんぷん。

てか、なんで知ってるんだ？

咲良「誰がこんな事したのよ！」

『ねぇ、騒がしいけど何かあった？』

咲良ちゃんに駆け寄り尋ねる。

咲良「お昼休みに匿名で社内メールが送られてきたの」

パッと、パソコンに映ったメールを見ると文章と写真が添付されていた。

『なに、これ……』

私が望に抱えられて部屋に入っていく姿が撮られた写真。

恐らく咲良ちゃんと飲みに行って泥酔した時のものだ。

メールの内容は

【社内の男性だけでなく、ジャニーズまでも誑かすクソビッチ！！

男に飢えてまーす！皆さん連絡くださーい！】

と電話番号も記載されてた。

『……なんで………っ…』

熱のせいなのか、それとも精神的に限界が来たのか

急に目の前が真っ白になった。

咲良「えっ、ちょっ、A！？」

そこからの記憶はない。

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