近くて遠い《2》 (ページ16)

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自分の部屋へ戻ると慌てて咲良ちゃんに電話を掛けた。

《咲良「もしもーし？おはよ」》

『もしもし？昨日はほんっとにごめんね？』

《咲良「全然大丈夫！

Aの方こそ大丈夫だった？

だいぶ酔っ払ってたけど」》

『お陰様で二日酔いです』

《咲良「だろうね。笑

にしても、びっくりしたよ」》

『えっ？』

《咲良「505号室だって言うから、開けようと思ったら開かないし

ガチャガチャしてたら中からジャニーズ出てくるし」》

『そうだったんだ、本当ごめん』

望のこと普通に話してたけどそういえば芸能人だった。

そりゃびっくりするよね

まさかこんなどこにでもいる様な私の幼馴染がジャニーズだったら。

《咲良「じゃあまさか、もう1人いる幼馴染のしげちゃんって」》

『あ、同じグループの重岡です』

《咲良「くぅー！まさかのまさかだなぁ！

顔が整っててさすが芸能人って感じだったわ。

初めて生で芸能人見た。なんかありがとう！」》

『あんなので良ければいつでもどうぞ』

《咲良「じゃあ今度は是非重岡くんに会いたいね」》

『まぁ、そのうち』

《咲良「あ、そうそう！

直接会う機会ってのが案外早めに来たから迷ったんだけどさ」》

『え？うん。何を？』

《咲良「センスないですねって！」》

『……？』

え、何？センスないですねって。

昨日の事を思い出ししばらく考える。

『……あっ！！

え、言ったの！？』

《咲良「うん、言った～。

本人きょとんとしてたけど」》

『そりゃそうだよ、』

初対面の子にセンスないですね、なんて。

きっと、え？なんのこと？ってモヤモヤしてるんだろうなぁ。

『ぷっ！なんか、想像すると面白い』

《咲良「直接言えてすっきりしたわぁ！

何もなかったの？望くんとは。」》

『…うん、何もなかったよ。

ちゃんと別々で寝てたし。』

《咲良「そっか。

西島さんには？連絡した？」》

『え、何の？』

《咲良「何のって、心配して連絡来てるんじゃないかなー？って

飲み過ぎたって飲み会抜け出したんだし」》

『あー、そっか。後で連絡しておきます』

《咲良「ん、じゃあ後はゆっくり休んで？」》

『うん、ありがと』

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