近くて遠い《2》 (ページ1)

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───夏

早いもので桜の花も散り

すっかり半袖で歩けるほど暖かくなった。

『おはようございまーす』

咲良「おはよ！」

『ん、おはよー』

いつも通り出社して、自分の机の引き出しを開けると身に覚えのない紙が。

『なんだろ』

そっと、取り出し中身を確認する。

『……っ』

封筒の中には数枚の紙が入っていた。

『なに、これ…』

確認すると、しねとか地獄に落ちろとか暴言の書かれた紙が。

咲良「ん？どうかした？」

私の様子に気づいた咲良が覗いてきて、慌てて隠す。

『へっ？……あ、んーん、なんでもない！』

咲良「あー！もしかして、今時ラブレター？』

『んーっ、うん、まぁそんなところ』

咲良「モテ期到来ですか」

『違います～！』

誰がこんな事するんだろう。

周りを見渡すも、怪しい人なんて見当たらない。

──ぽんっ

周りに気を取られてると、背後から肩を叩かれ思わずビクッとする。

西島「おはよ？」

『なんだ、隼人くんか』

西島「俺でごめんね。笑

……どした？顔真っ白だけど。

どこか具合でも悪い？」

『んーん、大丈夫、平気』

西島「そっ？なら、いいんだけど。

……あ、今日の夜予定ある？」

『今日？なにもないけど…』

西島「よっしゃ。じゃあご飯いこ？

いいお店見つけたんだ」

『あー…うん、わかった』

西島「じゃあ、また連絡する」

『うん』

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隼人くんとせっかくご飯食べに行ったってのに

今朝、あんなことがあったせいかあまりご飯が喉を通らなくて

変に気を遣わせてしまって何だか申し訳ない。

『はぁー。』

エレベーター待ちをしてると望とバッタリ会ってしまった。

『あ。』

前まではナイスタイミングなんて思てたのに

相談する事も出来なくなった今はただただ気まずい。

小瀧「…んな、不審者見たような顔すんなや」

『生まれつきこんな顔なの。

クレームなら私の両親にお願いします』

これまた久々にちゃんと話すもので緊張してしまう。

小瀧「……なんかあったん？」

『はっ？』

小瀧「顔に書いてあんで」

『別に何もないけど』

ようやくエレベーターが来て、乗り込む。

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