近くて遠い《2》 (ページ2)

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『……』

「……」

『なんか、ちょっと痩せた？』

エレベーターという密室の中、沈黙が気まずくて話し掛ける。

小瀧「そうか？」

『元々ひょろひょろなのに余計にひょろひょろになった気がする。

強い風吹いたら飛ばされそう』

小瀧「うっさいわ。誰が飛ばされるかアホ。笑」

『こりゃ失礼しました～』

私たちの部屋のある階へ着き、降りる。

廊下を少し歩くと先に着く望の部屋。

『じゃ、おやすみ～。』

そう言い残し、鍵を持つ手をひらひらさせて、望の部屋を通り過ぎる。

小瀧「なぁ！」

『んっ？』

部屋へ入ろうとドアに手を掛けると、望が声をかけてきた。

小瀧「何かあるんやったら相談しいや？」

『……ふっ、ご心配ありがとう！

なーんもないから心配いらんよ～！おやすみー！』

笑顔でそう言い、部屋に入る。

ドアを閉め、もたれかかる。

『……相談なんてできるか、ばーかっ。』

そっと、そう呟く。

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それから次の日もそのまた次の日も嫌がらせはエスカレートしていって

ひどいときは暴言を書かれた紙と

何かに使ったティッシュ等のゴミ、誰かの髪の毛が入ってたりもした。

咲良「ねぇ、大丈夫？ほんっとここ最近顔色悪いよ？」

その度袋にまとめてバレないように処理をして

『大丈夫！平気平気。

ちょっと疲れてるだけだから』

心配そうに気に掛けてくれる咲良ちゃんにそう言う。

咲良「ちょっと休憩したら？休憩室行く？」

誰かに相談したいけど

隼人くんは仕事忙しいのに、こんな事で負担かけたくないし

しげちゃんは、今でさえ仕事辞めろなんてうるさいのに

こんな事言ったら本当に強制的に辞めさせられそうだし

望には……相談どころかまともに会話もできない。

『本当に大丈夫だから』

咲良「ならいいけど…」

『ごめんね、心配かけて』

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