4 ページ4
そんなある時。
この世界でも一・二を争う大国─ザルツシュブルク─から、里に向けて兵が派遣された。
“その能力を国のために捧げよ!”
私利私欲が詰まった勝手な言い分。里の者は巫女も含めて、その国の言葉を拒絶した。
……それによってその一族は、悲惨な末路を辿ることになる。
巫女と数人の者以外は皆殺された。生き残った者達は、国の首都に連れて行かれ、牢に繋がれてしまう。
大国の首都だからなのか、そこは穢れが蔓延していた。いつ、どこで、誰が、魔獣になってもおかしくないほどに。
彼女達は、お役目を果たすことにした。どこに居たとしても、穢れを浄化することは出来るからと。
ただ……それだけではなかった。毎日交代で現れる数人の男達。兵士、学者、国の重鎮など。彼女達は慰み者にされたのだ。
毎日休むことなく続けるお役目。そしてそれが終われば男達が現れる……。繰り返される日々に子も出来る。産まれる子供は女のみ。その子もいつか同じ苦しみを味わうことになるだろう。
毎夜涙を流すが、お役目も果たさねば、巫女に負担が掛かる。そうなれば巫女の短い寿命が、さらに短くなってしまう。
悔しさに唇を噛み締めるも、それ以外に何も出来ない。お役目を果たすも、毎夜のことに自分達から発せられる穢れ。悪循環極まりない。その事にも涙を流す彼女達だった。
巫女だけは他の女達と待遇が違った。陽の当たらぬ牢屋ではあるが、簡易だが寝床はちゃんとしたもの。風呂にも僅かな時間だが毎日入れる。食事も悪いものではなかった。短命であるため、他の者達より扱いが良かったのだ。
ただ唯一、他の者達と変わらぬことが。それは夜の営み。男が現れるのは一人のみだったが、その国の中で“最も能力の高いもの”が宛てがわれていたのだった__。
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです!トレントの場面、ドキドキしました!どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください! (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました!参考になりました! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ! (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月22日 0時