継いで【オリジナル】

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幻獣王の熱愛アピールに、その巫女は絆されて恋仲になる。

里の者達の中に、二人を反対する者は居なかった。幻獣王は巫女が選んだ者だからと。

そして巫女は幻獣王との間に、子供を宿したのだった。その子供は元々ある特殊能力と共に、幻獣王の力を僅かながらに持って生まれた。

その時から何代にも渡って、血が引き継がれていくことになる。

幻獣王の血を継いだ者は、体に現れる。目の色や髪の色、体の一部分が異様など。幻獣王の力を使えないものもいたが、巫女の能力は健在だった。





巫女は生まれつき強い力を持つ。その為か、他の一族より短命だった。長く生きれても三〇年が限界。短い者は、二〇年しか生きることが出来なかった。

特に子を出産したあとは、 五年以内に全員亡くなっている。次の世代に、持ちうる力を託すためだと言われていた。

幻獣王の愛した巫女も、 5年で亡くなってしまった。少しでも長く生きれるようにと、幻獣王の寿命を与え、最善を尽くしたが変わることはなかった。

幻獣王は巫女を看取ったあと、子を里に残して姿を消してしまう。

“愛した女性を、救うことが出来なかった失意に寄るものだろう”

と、里の者達は子を置き去りにした彼を責めたりはしなかった。

それから一〇〇年ほど。
その里のお役目は変わることはなく、能力を使って穢れを浄化していた＿＿。

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