黙りやがれ公子様 【2】

顔面が強い ページ26

『こちとら要戦闘員じゃないのにヒルチャール討伐行かされたんですよ』


「くく、それは大変だったな」


何の悪びれもなく私を笑うガイアさんは人の心を持っているのだろうか


そう言う感情を孕んだ視線をガイアさんに送ると肩をすくめて私の目の前で跪いた




「すまんすまん。それじゃあ、俺と一緒に来てくれますか？オヒメサマ」


急にそんなキザなセリフと一緒にガイアさんは私の手の甲にキスを落とした




ーーーーー


『どうやったらディルックさん私に跪いてくれますかね？』


「それ本人の目の前で言うか？」




inエンジェルズシェア


目の前にはガイアさんに嫌悪オーラを出しているイケメン、クソイケメンバーテンダーディルックさん


そして私の隣にその嫌悪オーラをものともせずお酒を煽っている歩く、いや歩かなくても18○のガイアさん


『モンド顔面強……』


璃月も顔面は強いがモンドとは違う感じ


『私はテイワット1のイケメンはディルックさんだと思ってますからね！』


「……………ありがとう」


少し困惑を孕んだ表情でこちらを見たディルックさんは私に水を差し出してきた


「少し、酔ってきたんじゃないのか？」


『ガイアさんが奢りなんで潰れるまで』


「やめておけ」


ディルックさんにマジ顔で言われたので渋々水を飲む


「はは、リタイアか？」


『ディルックさん今すぐこの人に判決下して』


何その笑顔！！！めっちゃ腹立つんですけど！！


ケッ！ロサリアさんにでも凍らされとけ！！！


『はぁ、もう帰ります……ごちそうさまでした！ガイアさん！』


「あぁ、いい夜を」


目を細めて妖艶に微笑んだガイアさんに悔しいけどドキッとしてしまった……不覚……！


だってえっちなんだもん！こんなえっちな騎兵隊長いてたまるか！！！ばーか！！！


「外まで送ろう」


カウンターから出てきたディルックさんは私をモンド城入り口まで送ってくれた


どこぞの騎兵隊長より紳士でくそ優しい！！無理！！結婚して！！！


『わざわざありがとうございます！』


「いや、いいんだ」


するとディルックさんは少し考えてから私の手を取った


『？』


ちゅ、と小さいリップ音が鳴り、ディルックさんが私の手の甲にキスをしたということに気づくのはそう遅くはなかった


『ひゅ』


「それじゃあ、気を付けて」


そう言ってモンド城内へと戻って行くディルックさんの背中を私はこれ以上ないくらい真っ赤な顔で見ていたのだろう

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