小説 ページ20
「桜はお好きですか?」
「え…あ…はい」
控えめに聞いてきた彼女は僕の手を取り手のひらの上に桜の花弁をそっと乗せた
ふわりと女性特有の甘く柔らかい匂いが僕の鼻をくすぐる
「っ……えっと、」
「私も桜が好きなんです…桜は、私の追い求める“永遠”とは程遠いですが…」
少し悲しそうな顔をした彼女は僕の手をぎゅっと握った
少し、冷たいその手にドキリと心臓が跳ねる
「で、でも、桜もこう…寿命?みたいなのがあるから美しいのではないのでしょうか…永遠も素敵ですが…えっと、限りあるものはもっと素敵だと僕は思いました………あっ、す、すいません!忘れてください!」
「………そうですね…そのような考えは…はい、素敵です」
彼女は桜が優しく吹雪く中、僕を見つめて優しく微笑んだ
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『これ稲妻に売ってた小説』
「稲妻の人達はこういうのが好きなのかい?」
私の目の前で私が渡した小説を読んでいる男。タルタリヤさん
『題名知りたいですか?』
「いや……そんなに…」
『「異世界転生したら雷電将軍に溺愛されました」』
「話を聞かない君も好きだよ」
タルタリヤさんは小説を机に置き、隣で熱心に小説を読んでいる鍾離さんに聞く
「先生は何を読んでるの?」
「これは…「雷電将軍に転生したら、天下無敵になった」だな」
『あっ〜!それ面白かったですよ!本当に最初だけ読んで終わりにしましたけど!』
主人公無想の一太刀の出し方わからんのウケた
鍾離さんは意外とハマってるらしく小説をめちゃ真剣に読んでいた
「『絵になる〜』」
私とタルタリヤさんはバッと顔を合わせた
そして無言で頷いた
内容がアレで表紙もちょっと、な小説なんて本物の凡人が読んでたら「……」ってなるけどこのエセ凡人顔が良いから「顔゛か゛良゛い゛!」ってなる
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「ふむ、面白かった。また今度稲妻に行く機会があったらまた新しい小説を買ってきてくれA」
『じゃあこの「異世界転生したら雷電将軍に溺愛されました」あげますよ』
机の上に置かれていた本を手に取り鍾離さんに渡すと「ありがたくもらおう」と言って読みはじた
「鍾離先生…凄いハマってるね」
『まぁ、六千年生きてれば小説なんて読み飽きてるだろうからこう言う新しいものがいいんじゃないんですか』
「そういうものなのか…」
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ハールヴダンのあのムービーで泣きました
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なす - まじで一生見てたいこの小説www (8月23日 19時) (レス) id: f137f47347 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - こんばんは、!!最近原神初めて夢小でやっぱり魈様とタルタルと鍾離様と散兵様は最強ってことがわかりました。フレ申大丈夫ですかね (2023年3月10日 22時) (レス) @page26 id: 61d5fbfc46 (このIDを非表示/違反報告)
響(プロフ) - おさけさんに鍾離先生が当たることを祈っています… (2022年8月24日 6時) (レス) @page50 id: 9f18fae925 (このIDを非表示/違反報告)
三尺三寸仙人 - 高身長組やべぇ(特にタル)って思ってたらトーマが優しかったw (2022年8月22日 0時) (レス) id: 2de5659400 (このIDを非表示/違反報告)
リーラ@9616(プロフ) - 今回も最高や…個人的にディルックの旦那もこの戦争に入ってきて欲しい感はあるけど来たら堕ちるもんなぁ(数名)タルタリさんの激重感情になぜ平静をたもっていられるんやぁ…(いいぞもっとやれ!!) (2022年8月22日 0時) (レス) id: 6934a0f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おさけ | 作成日時:2022年7月18日 23時