恋のかたち 気象系 O×N

見つけた ページ25

もしかしたらと思った。


それはなんとも独りよがりな考え


酷く弱って酷く辛い時に
俺を頼ろうと考えてくれたなら
もしかしたら




あの公園のベンチ
桜が舞って綺麗だったこと
櫻井の泣き出しそうな顔をしていたこと
今でも鮮明に思い出せる。



いるはずがないと思いながらも
走って向かうと櫻井はいた。

あの日と同じように俯いて座っていた。


安堵して思わず名前を呟くと
その声に気づいたのか顔をあげた。



櫻井の頬は真っ赤に腫れていた
唇の端が切れて血が滲んでいる。



「櫻井っどうした！？何があった」


「っせんせ...先生」


ポロポロと溢れ出した涙を手で拭いながら
掠れた声で俺を呼ぶ


近くによって頬を触った
熱い 殴られたのか？


「待ってて松本に電話すっから」


ポッケから携帯を出そうとすると
その手を掴まれて驚き顔を見ると
首を振っていた。


「潤には言わないでください」

「でも、櫻井見つけたら電話するって...」

「お願いします、、先生 お願いだから...」


涙を流しながら止める櫻井の手をそっと握って
元に戻した


「分かった しないから。
そのかわり何があったか話せる？」


「それは 転けたんです。それだけです」


そんな理由ないだろ...
それで騙せると思われてんのか俺は...


「絶対殴られてんだろ 誰にやられた」


俺の質問に無言のまま俯く

だいたい想像はついてるんだが


「松本の母親だな？」


図星だったのかハッと顔を上げて
すぐに顔を下げた。


「なあ お前はそれでもあいつの事好きか？」

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