恋のかたち 気象系 O×N

次の恋 ページ2

少し油断しすぎた

松本にとられるなんて
全然ひとっつも考えてなかった。


でも、過去の話はいくらしたって
過去の話であって

もういくら想いを募らせたところで
櫻井は松本のものだ。


そう。俺は大人だ
花はいつか枯れてしまう。
終わった恋をぐちぐち考えるのは子供のする事
俺は新しい恋に生きる。


夜の街は少し心を浮き足立たせて
皆が友達のように思えてくる。

実際２丁目は同じ趣向の人間が集まっている
わけだから正直 皆知り合いみたいなものだ


「あ、久しぶりに来てるじゃない大野さん」

「ほんとだ 最近来てなかったのにねえ
失恋かしら」



そうだよ失恋だよ！笑えよばぁか！


コートのポケットに手を入れて
颯爽と歩いていると1人座って
お酒を飲んでいるやつがいた。


「君 1人？」


少し驚いたのかビクついて俺の方を見た


「え...あ、はい」

白い肌と綺麗な二重ものすごく整った顔は
何かの置物みたいに見えた。

真っ黒な前髪が少し目にかかっていて
俺はそれを払うと唇を重ねた。


「...っん」


息が途切れて頭がくらっとした


「先生...」


いるはずのない櫻井の声と姿が目の前に見えた

ハッと我にかえると様子のおかしい俺を心配そうな目で見つめている男がいた。


俺はいったい...
何をそんなに引きずっているんだ


「ごめん本当にごめん帰る」


「は！？えっちょっとまっ」


俺はその場から逃げるように去った。

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