3話 ページ5
なかなかこっちを見ないので、念を込めながら降ってみる。
すると、集団のなかの眼鏡をかけた人がこちらに気づいた。
俺?見たいな反応をされた。違う、お前じゃねえよ。お前に一ミリも興味ねえよ。
優くん呼んで!と、いう意味のジェスチャーをするが理解に苦しんでいるようだ。あーもう。めんどくせえ。
あと明奈、眼鏡かけた人じゃねえんだ。さっきからめっちゃあの人に手振ってるけど違う。違うんだよ。
「ねえ、あの眼鏡かけた人が優くんっていうひ人?」
「ちげえよ」
「えっ!違うの!?はよ言ってや!めっちゃ恥ずかしいやん!」
「いや、明奈が勝手に勘違いしたんやろ」
「お前ら何やっとんねん。はよ行くよ」
「はーい」
副部長であるユーフォニアム担当の広瀬 結愛(ひろせ ゆいあ)に呼ばれ、しぶしぶ諦める。
結局、気づいてくれな…あー!こっち見た!
最後の最後でようやくこっちを向いてくれた。
手を大きく振ると、控えめに微笑みながら振り返してくれた。
さすがハーフ顔。顔立ちが大人びて見える。いやあ、背伸びたねえ。
「A!早く行くよ!」
「今行くー」
…人違いだったらすごい恥ずかしいけどな。
あまりにかっこよく成長していたものだから、少しビックリした。
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作者名:黒木 のの子 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年4月1日 15時