【◇A】Chemische Reaktion (ページ11)

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９話ページ11

階段を使って、上の階の食事処へ移動する。エレベーターがあるが、使用しないようにと言われた。

運動不足のババアにはきついって…。

私たちがついた頃には、すでに人が集まっていた。

「あっ！これはこれはクリス先輩の彼女様で！はじめまして！わたくし、クリス先輩の弟子の沢村栄純と申します！どうぞお見知りおきを…！！」

誰だコイツ。声が大きいからか、みんな一斉にこちらに注目している。

そこに、困ったような表情をした優くんがやって来た。頬が少し赤い。

「沢村、やめてくれ。」

おっ。これはおもしろい展開になりそうだ。

「こちらこそ、はじめまして。滝川・クリス・優さんとお付き合いさせていただいてます。鷲尾Aです。どうぞよろしくお願いしま…」

「A…！」

最後まで言い終わらないうちに口を塞がれた。
冗談に決まってるじゃない。頬がさらに赤くなってるよ。

「さすが師匠！彼女さんも美人なことで…！」

「おいクリス！抜け駆けしてんじゃねぇぞ！！」

次々に優くんへのヤジが飛ぶ。優くんの顔がさらに赤くなった。いつの間にそんな可愛くなったんだ！

「A、頼むから変なことを言わないでくれ…」

「えー。うち、優くんとなら付き合ってもいいよ」

困ってるの見ると、さらにいじりたくなるよね。

優くんが一通り野球部にからかわれると、次は私が吹奏楽部からの冷やかしがはじまったのは言うまでもない。