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☆273★ ページ47

立川「でもいざ現場に行ったら、怖すぎてそんな説得とかできなかったんですけどね。」

岩泉「それが、20区に行った理由か」

立川「はい。」

岩泉「自分にできること、か。」

立川「…。」

ほんとにできるかはわからない。でもやりたいから。

岩泉「今はもう、今までみたいに悲しくはねぇの?」

立川「自分のやれること見つけたんで!!あとはどうなろうと、自分が半端な人間なんてことで悲しくなりません!!!」

これはほんと。もう悲しくない。

岩泉「そうか。ならいいわ!」

立川「はい!」

岩泉「…………。」

立川「…………。」

そこでまた沈黙がおりた。

それを破ったのは、

岩泉「カネキさんの死については、どう思ってんだ?まだついてけてねぇの?」

立川「……。」

あんまり思い出さないようにしてた。

立川「いや、もう………」

岩泉「…出せ」

立川「?」

岩泉「思ってること全部吐き出せ」

立川「……なんで」

岩泉「おう」

立川「私は、お母さんが死んだり、お父さんが家を出たり、大切な人がいなくなるの、もう嫌なんです」

岩泉「…」

立川「なのに………っ」

涙が出てくる

岩泉「泣け泣け、泣いて全部、全部ちょっとだけでも軽くしろ。重いだろ?そんなんずっと抱えてたら。」

頭をぐしゃぐしゃと撫でられる。

立川「………っどうして」

岩泉「?」

立川「私、こんななのに…そうやって、優しくしてくれるんですか…?」

次から次に涙が溢れて、うまく呂律が回らない。

岩泉「…好きとか、そういうのもあるかもしんねーけど、でも、ちゃんと知りたいから。普通に友達だったとしても、ちゃんと知って支えたいから。」

立川「……私、もうすぐ犯罪者になって消えるんですよ」

岩泉「そんなん関係ねぇよ。事情知らない奴は犯罪者って思うかもしんねぇけど、俺は知ってるから、だから見捨てたりとかしない」

立川「……。」

こんなことになっても傍にいてくれるなんて、おかしい

立川「……おかしいよ…」

岩泉「いーよ別に。おかしくて。」

ずるいな、ずるいな。

こんなの、

この人についていきたいって思った。

私もちゃんと知って、支えたいって思った。

好き

『ほんとにいいのかな』

そういう心はこの人に対してだけはもうない。

立川「…っありがとう」

涙で視界がぼやけるけど、子供みたいに泣いてるけど、

この気持ちは本当。

好きです

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作者名:アボカディーエンジェルランド | 作成日時:2017年4月9日 0時

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