隠の桐島さん【鬼滅の刃】

いつの時代も男は単純 ページ26

「まぁまぁ、これは基本な技というか
初歩的な技ですので会得するには相当の努力が必要ですよね！」




『え...胡蝶...様？』




「まぁ...出来て“当然”ですけれども！！
伊之助くんなら簡単かと思っていたたのですが出来ないんですか？
仕方ないですね出来ないのなら！」




“しょうがないしょうがない”





胡蝶様は猪頭くんの肩をポンポンと叩く
満面の笑みで毒々しい煽りを見せびらかしながら


ただでさえ短気な猪頭くん
その分かりやすい煽りに見事乗っかって火がついたようだ





しかし、これだけでは終わらない




今度は、ぱつきんくんの番だ
胡蝶様は少年の掌を両手で包み込み






「頑張ってください善逸くん！“一番”応援してますよ！」




「はぃいいいいい！！」




蕩けるような甘い蜜を与えられ
林檎のように顔を真っ赤にさせた善逸くんは


もう今までの負の感情など綺麗さっぱり
忘れてしまっただろう




男ってこんなに単純な生き物なのか...



否...



胡蝶様が人並み外れて人の扱いに長けていただけか






『さて、と...そろそろ戻るか』




「おや？もう行かれるのですか？」




『はい...残りの仕事を片付けなければならないので
それでは胡蝶様、失礼致します』




はぁああ...残りの事務作業さえ無ければ今日一日中
お庭でのんびりできた筈なのに




しかし蝶屋敷の門を越えた先に待っていたのは
日頃鬱憤が吹き飛ぶような雲ひとつない清々しい青空だった


青く澄み渡った空には眩しい太陽がまっすぐに輝いていて
透けるような眩い光が掌から溢れた


その優しい日差しがなんだか稽古場で頑張っている彼らを連想させて


思わず笑みが溢れた









あぁ、次はいつ会えるかなぁ...

神は無慈悲だ→←結論、死ぬほど鍛えるしかない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す