独占欲 １９ バッドエンド編 ページ23
「――……はぁ？何言ってんだよ」
いつもより数倍、あざ笑うかのように言ってやった。
いわゆる「ヤンデレ」野郎に偉そうなこと言われたくないんだよ。
「年中無休で女性をたぶらかし……どの女性が自分の本命かも分かってないくせに……」
鬼灯は、金棒を握り締めてわずかに震えていた。
「――…その汚い手で私の女に触るな、クズ野郎……」
いつもなら、こんな汚い言葉は使わないだろう。
長い付き合いである僕だって、初めて聞いた。
「…はっ……クズ野郎はお前だろ。気づいていないなんて言わせないよ。
Aちゃんが苦しんでるの、知ってるだろ」
鬼灯がゆっくりと金棒を担いだ。
腕の血管が浮き出ているから、相当力が入っている。
金棒で殴られる、と構えた時――…
「もう…いいです」
僕と鬼灯の緊迫した距離の空間に、Aちゃんが立っていた。
「なにしてるんだよ!危ないじゃないか!!」
僕はAちゃんに手を伸ばす。
が、わずかに届かぬままAちゃんは僕の反対側へ引っ張られた。
「もういい、とはどういう意味です?」
「――…」
鬼灯は、Aちゃんの首をグッと腕で軽く絞めながら、耳元で問いかけた。
「これ以上は…不毛です」
「……はい?」
「鬼灯様……大好きだから、愛しているから……」
苦しいのか、たどたどしく、言葉をつづけた。
僕は、見ているまま、動けなかった。
鬼灯の、威圧感のせいだ。
「――私を連れて行って……」
その言葉で、鬼灯は腕を緩めた。
そして、Aちゃんは鬼灯の首に腕を巻きつけて抱きついた。
「いい子です…。帰ってたくさん愛してあげますからね……」
鬼灯はコチラを向いて、笑った。
声を出したわけではなく、ニヤリ、と笑ったのだ。
笑わないアイツが、朴念仁が、笑ったのだった。
ただ単純に、怖かった。
***
鬼灯様が笑ったら怖いでしょうね。
でも美しいでしょうね。
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はっくん - 鬼灯様か白澤様に食べられたいなって思った。(真顔) (2019年5月2日 19時) (
レス) id: 4bff800c1b (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 両方とも最高でした！ヤンデレの話いいですよね☆ (2018年9月29日 8時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
僕は豚じゃない！！by白澤 - ヤンデレ系が好きだ！愛してる! (2017年2月28日 11時) (レス) id: 8038c86eb0 (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶 - 楽しませてもらいましたｗｗｗ 私的には、バッドエンドの方が気に入ってます（＾＝＾）ｗｗｗ (2016年7月25日 4時) (レス) id: 0275dd73bb (このIDを非表示/違反報告)
シュール - BADとhappyどっちとも良かったです。白澤楽しみにしてますよ！！ (2015年6月13日 15時) (レス) id: 8643cc8b93 (このIDを非表示/違反報告)
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