【d！/短編集】夜が、明けるまで【合作】

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「あ！」

「どした？」


いきなりショッピが声を上げる。
私が起き上がって草の上に座ると、彼は１つの紫色の星に指差して言った。


「A先輩、あの星綺麗っすね！」

『A姉ちゃん、あの星綺麗だね！』


目を輝かせて言うショッピの顔が、今は亡き弟の顔と重なる。

あの日、交通事故で亡くなった弟の姿と。
⋯⋯⋯あの日、私が太陽の光がトラウマになった原因である、弟の姿と。

でも今私を照らすのはあの頃の、嫌になる程照らしつける光じゃない。
煌めく星々。そしてお月様の光だ。


「ふふっ、そうだねぇ」


私もにこっと微笑んで、空を見上げた。







＿＿ひと粒欠けた、綺麗な綺麗なお月様。

今ここで、全てのピースが集まった。


「A先輩。今夜は月が綺麗っすね。」

「うん。本当に。⋯⋯⋯君と見られて嬉しいよ。ショッピ。」


静まり返った月夜(セカイ)で、２つの星は大きく輝いた。

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