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「本気なら、もっと悩んだり、苦しんだりせえや。手放したくないなら、じたばたしたり、足掻いたりすればええ。結局、坂田はAちゃんのこと、本気で好きやないんちゃう?」


かっとなった頭が、一瞬にして冷めた。


雨の中を走っていくAちゃんの姿がよみがえる。


あのとき、彼女を追いかけることができなかった。


あれほど好きだったのに、あのときAちゃんをあっさり諦めた。


今度会えたら、謝ればいいやって。


「もし、Aちゃんのこと本気で好きなら、次こそは幸せにしてやったらええ。でも、その覚悟がないなら、諦めろ」


黙って俯く俺に、静かにセンラは告げた。


「俺、あのとき追いかけなかったこと、死ぬほど後悔したんよ。今日ほど、あの時のことを後悔した時はないってくらい」


「……そうやろうな」


「だから、もう、後悔したくない。俺、やっぱAちゃんのこと、好きやから。もう、大切なものを、失いたくないから」


向こう側で、センラがふっと笑った気がした。


「話くらいなら、聞いてやるから」


「さんきゅ」


電話を切ってすぐ、俺は彼女にメッセージを送った。


トーク履歴には、春休みに送って返信が帰ってこなかった「会いたい」がいちばん下になったままだ。


このままで、終わりたくない。


もういちど、振り向かせてみせる。


また、あの笑顔をみたいから。


「今度の休み、一緒に行きたいところがあるんやけど」


それを送りながら頭に浮かんだのは、最近できたというプラネタリウムだった。


彼女は、ギラギラしたところより、自然な場所が好きだった。


水族館も、そのひとつかもしれない。


Aちゃんの雰囲気と似て、落ち着いた、自然体で入れる場所。


きっと、あそこなら彼女も喜んでくれるだろう。


もう、悲しませないように。


もう、泣かせないように。


また、俺に笑いかけてくれますように。


そう願ってやまないのは、やっぱり彼女が好きだからなんだと思った。



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坂田くん視点のお話も見たいと以前リクエストいただいていたのでここで挿入。

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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます!またコメントをいただけて嬉しいです!続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします! (2019年12月24日 11時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは!グッドイブニング・トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします! (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します!浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね!元々惚れてますけど余計に惚れますね!応援してます!更新頑張ってください! (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます!どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします! (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りひと | 作成日時:2019年12月13日 23時

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