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その日の夜、俺は久しぶりに高校のとき1番仲の良かった同性の友達に電話をかけた。
色んなことがあって、誰かと話していないと、どうにかなってしまいそうだった。
昔から、察しのいい彼のことだから、もしかしたら話を聞いて、なにかヒントをくれるかもしれない。
果たして、目的の相手はたっぷり7コールなったあとに、「もしもし」と言って電話に出た。
「もしもし、センラ？」
「おお、久しぶりやな。元気にしとる？」
京都なまりの、優しい声音に懐かしい気持ちになる。
「んー、ぼちぼちやなあ。センラは？」
「俺も、そんな感じ。それで、何かあったん？」
「なんで、」
言い当てられたことにびっくりしていると、
「そんなん、声聞いたら分かるわ」
そう言って、センラは笑った。
「あんな、Aちゃんに会った」
「………は？会ったって、」
「うん。今日、友達の家行ってゲームしてたんやけど、その帰り、偶然会って。しかも、俺の友達が、Aちゃんと仲良くてさ」
センラは昔からそうだった。
脈絡のない俺の話を聞いて、ちゃんと分かってくれる。
「そか」
「……俺、勝ち目ないなあって、思ってしもてん。その人、すごい優しくて、頼りになって、俺なんかより、ずっとすごいねん」
向こう側で、ひゅっと息を飲むのがわかった。
「それって、」
「でも、おれ、やっぱり、Aちゃんが好き。諦められん」
「俺に言うなや」
センラが苦笑する。
どうにかして、明るくしようとしてくれるのがわかったが、そんな気にはなれなかった。
「でも、Aちゃんの隣はもう、俺やない。俺の友達なんや。俺、諦めるしかないって、思って」
言っているうちに、うらさんとAちゃんの姿が蘇ってきて、胸が苦しくなってくる。
あれ、恋って、こんなに苦しかったっけ。
俺があのとき、Aちゃんを追わなかった罰なんかな。
「それで、坂田は諦めるん？」
センラが、静かに俺に問うた。
「……わからん。でも、諦めたくない」
「ほんまに？坂田、お前、Aちゃんがこっち見てくれんの待っとるだけやん。卒業式の日もそうやったけど、本気で、追いかけようとしてへんやん」
「そんなこと……」
荒らげた俺の声を遮るように、センラは続ける。
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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
