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一次会がお開きになったのは、22時をすぎた頃だった。
終電までまだ時間はあるから、希望者は二次会に行くようだ。当然のごとく、センラも参加するらしい。まわりにはミホちゃんを筆頭に女性たちに囲まれているところを見ると、今日はあの中の誰か(たぶんミホちゃんが最有力候補)をお持ち帰りするのだろう。
「Aさんは、二次会に行かないんですか？」
「うん。このまま帰るよ。せっかくの休みだからゆっくりしたいし。伊藤くんは？」
「俺も帰ります。もう遅いですし、送っていきますよ」
「大丈夫。まだ電車もある時間だし。いつも一人で帰ってるし」
でも、と伊藤くんが言う前に私は彼から視線を外した。
ここで断らなければ、と咄嗟に思った。
頭に浮かんだのは、渉さんの顔。もし、万が一、渉さんに見られたら。きっと呆れられてしまう。
彼が離れて言ってしまうのが、怖い。これは、そうならないためのリスク対策だ。
つくづく、私の世界は渉さん中心に回っているのだな、とお酒の入った頭で思う。酔っているのにも関わらず、ここまで考えられるのだから、相当なものだ。
がやがやとうるさい居酒屋の前から、二次会に行く人達が動き出した。センラの後ろ姿を視界の端に捉えた後、私は駅へと足を向ける。すると、当然のように伊藤くんが横に並んだ。
嫌だ、と心が言う。
「伊藤くんもこっちなの？」
「はい。そうなんです」
「そっか。知らなかった」
彼が本当のことを言っているのかは定かではないが、それを疑うのも部署内の先輩としてすべき行動ではないだろう。
「Aさん、年越しはこっちなんですか？」
「ん？ううん、実家に帰るよ」
「そうなんですね。じゃあ、年明けたら、ご飯いきましょうよ」
食事の誘いに、私の胸は何の音も立てなかった。渉さんだったら、痛いほど心は叫ぶのに。センラでさえ、安心するような音を刻むのに。それなのに、彼に対しては何も反応してくれない。
もし、彼に対して何かしらの反応をしてくれていたら、どんなによかっただろうか。
そこまで考えて、私は心の中で自嘲した。
「……なにか悩み事？」
「まあ、そんなとこです」
誤魔化すようにそう言って、伊藤くんを盗み見る。気づかれていないだろうか。照れたように笑う彼はどこまでも純粋に見えて、息をするのも重く感じる。
この心は、渉さんとの関係は、誰にも知られてはいけないのだ。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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