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「そらるさん、ノックしてくださいっていつも言ってるじゃないですか！」
そらるが扉を開けると、白い頭の幽霊がこっちにふわりと飛んできた。高い声でいきなり言われたものだから、そらるとうらた以外の3人は目が点になっている。
「まふ、お客さん」
そんなまふまふの様子もそらるはすっかり慣れているようで、何事も無かったかのように簡潔にいい、うらた達を指さした。
「久しぶり、まふまふ」
「うらたさん！どうしたんですか！また怪我ですか？」
「俺じゃねえよ。今回はこいつ」
うらたは志麻の腕の中にいるAを指さした。汗で前髪は額に張り付き、苦悶の表情を浮かべている。首の紋様は最初の頃よりも濃く広がってしまっていて、一部分だったのが首全体にまで及んでいた。
「ちょ………この子、人間じゃないですか！？しかもこんなに広がって………」
「治せるか？」
「早くしないと死んじゃいますよ、この子！早く部屋に運んでください！」
まふまふはあっという間にスイッチが入りドタバタと部屋に戻っていく。
早く治療しないと死んでしまう。
その焦りは4人にも広がり、志麻はAを抱えて部屋に入り、すぐわきにあった患者用の簡素なベッドに寝かせた。その後ろに、3人がぞろぞろと続いて入っていく。
「治療するので、出てってください」
「でも、」
「こんなに人がいると邪魔なんですよ。早く出てってください」
有無を言わさない言い方だった。
「行くぞ」
うらたが声をかけ、志麻とセンラが渋々といった様子で部屋を出る。坂田は、それでも動かなかった。
心配なのはよく分かるが、それは坂田以外の3人も同じなのだ。坂田にもう一度声をかけようとした時、先に口を開いたのは坂田だった。
「まふまふ………やったっけ。Aは助かる？」
少しだけ、声が震えていた。息の荒いAを見つめながら、情けない顔をしている。
まふまふは、そんな坂田を真っ直ぐに見た。うらたも以前、見た事のある表情だった。
「僕が助けます」
「わかった。信じる」
彼はそう言って頷くと、踵を返して部屋を出た。うらたもそれに続き、部屋を出る。廊下には志麻とセンラが立っていて、2人を待っていたようだった。
うらたは、どっと疲れの波が押し寄せてくるのを感じた。身体が重い。
「部屋、用意しようか。しばらく時間かかるだろうし」
終始見守っていただけだったそらるが言った。
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りひと(プロフ) - 凍華＠ラさん» コメントありがとうございます。みなさまの応援のおかげで、ありがたいことにランキングに載ることができました。今後ともお楽しみいただけるよう更新してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。 (2020年5月29日 19時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
凍華＠ラ(プロフ) - よくランキングに載っている作品だったので、少し気になって読ませていただきました。本当に面白くて、一気読みしてしまいました。続きが楽しみです。無理のない範囲での更新、頑張ってください！ (2020年5月29日 12時) (レス) id: 960374666f (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - over the rainさん» コメントありがとうございます。お楽しみいただけたこと嬉しく思います。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年5月26日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 続編おめでとうございます。題名に惹かれ読み始めてこらあっという間に3作品目でびっくりです。応援してます。 (2020年5月26日 6時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ありまさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しく思います。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。 (2020年5月25日 18時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2020年5月24日 23時
