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「………そうやね。みんな疲れとるし、お願いできますか？」
そうセンラが言ったのを脳が理解したのは、しばらく経ってからだった。睡魔で思考が鈍っているのか、なんだかボーッとしてしまう。
波に合わせて揺れ動く船内は、まるで揺りかごのようで、さらに眠気が襲ってくる。今だったら立ったまでも寝れそうだ。
「わかった。客室は人数分空いてるから、そこを使うといいよ。案内する」
そらるを先頭に、人の気配が動くのを感じた。
「………俺はいい。ここで待ってる」
坂田がまた駄々を捏ねている。こいつだって休んでいない。そんなワガママ言うなって言ってやりたいけれど、口が動かない。
疲れているからだろうか。ちょっとの動作も億劫に感じる。
「坂田。Aが起きたとき、俺らが元気じゃなかったら、Aに心配かけてまうよ？それでもええの？」
「それは、やだ」
「じゃあ、休むで」
うらたの代わりに坂田を説き伏せたのはセンラだった。坂田はいちど名残惜しそうに治療室の扉を振り返り、それからようやく歩き出した。それを見て、そらるたちも客室に足を向けた。
最後尾のうらたも、そこになんとか着いていこうと、必死に足を動かした。
けれど、どうにも足が重い。まるで、重りがついているみたいだ。
それに、足元もふらつく。
あれ、俺、いまちゃんと歩けてる？
疲れているからか、うまく身体の並行が保てない。
視界の端から少しずつ黒く染っていき、力が入らなくなってしまう。
やばい、このままじゃ………
ふらりと身体がぐらついて前に倒れるのがわかった。
「うらさん！」
遠くで坂田に呼ばれた気がした。
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りひと(プロフ) - 凍華＠ラさん» コメントありがとうございます。みなさまの応援のおかげで、ありがたいことにランキングに載ることができました。今後ともお楽しみいただけるよう更新してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。 (2020年5月29日 19時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
凍華＠ラ(プロフ) - よくランキングに載っている作品だったので、少し気になって読ませていただきました。本当に面白くて、一気読みしてしまいました。続きが楽しみです。無理のない範囲での更新、頑張ってください！ (2020年5月29日 12時) (レス) id: 960374666f (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - over the rainさん» コメントありがとうございます。お楽しみいただけたこと嬉しく思います。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年5月26日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 続編おめでとうございます。題名に惹かれ読み始めてこらあっという間に3作品目でびっくりです。応援してます。 (2020年5月26日 6時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ありまさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しく思います。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。 (2020年5月25日 18時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2020年5月24日 23時
