夕日坂【赤司征十郎】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:1,956 hit

夕日 6月ページ6

赤司side

赤司「黛は何処のクラスなんだ？」

「私、2年4組。」

赤司「2年4組？
俺達と一緒のクラスじゃないか？」

「私の机捨てられた。
だから、まともに授業受けてない。」

赤司「さっき居た奴らにか？」

「うん。

私が何したって言うんだろうね。」

黛はただ悲しそうに笑った。

苦しそうに、

寂しそうに。

ただ、ひたすら独りである事を噛み締めながら。

そんな表情だった。

今だって、鮮明に覚えている。

あの声も。

「私、ずっと保健室通いなんだ。
それであの人達が来る。」

赤司「そうか…」

「でも、

今は独りじゃない。」

赤司「え？」

「だって、

征十郎くんが居るから。」

黛が発した声は

さっきの声とは裏腹に

生き生きした声で言葉を発していた。

その声は

嬉しそうで

楽しそうだった。

赤司「黛、」

「なに？」

《独りじゃない》

俺が独りになんかさせない。

そんな気持ちが芽生えた。

気づいたら、俺は言葉を発していた。

赤司「一つ提案があるんだ。」

全ては、この一言で始まった。